この記事は2026年10月9日にSBI証券で公開された「加速する生成AI!アンソロピック関連銘柄」を一部編集し、転載したものです。
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加速する生成AI!アンソロピック関連銘柄
10/6(火)、日経平均株価が7/1(水)以来約3ヵ月ぶりに7万円を回復(終値ベース)しました。米国では、PCE価格指数や雇用統計の下振れなどを受け当面の金利上昇懸念が後退し、株価が上昇傾向を強めました。日本株もその影響を受けた形とみられます。米国の物色動向を反映し、日本でもAI・半導体関連株が再人気化しました。日経平均株価への寄与度が最大(10/7時点)のアドバンテスト(6857)が最高値を更新したことはその象徴的な一例とみられます。
そうした中、米新興AI企業であるアンソロピックの上場観測がメディア上で取り扱われています。Bloombergの報道では、11月中旬以降のIPOが観測されていますが、まだまだ流動的な面もありそうです。この「大型上場」が現実味を帯びると、市場では「本丸には直接投資しにくい日本の投資家が、どの関連銘柄で連想買いをするか」という動きも出やすくなります。過去のAI関連相場でも、主役の上場や決算の前後に、提携先や周辺企業へ資金が波及する場面がみられました。
日本の関連企業として、まず注目したいのは野村総合研究所(4307)です。2025年に日本初のアンソロピック認定リセラーとなり、その後もパートナーシップを拡大しています。Claudeの導入支援を事業として持ち、自社でもAI人材の育成を進めている点は、提携の実体が見えやすい材料です。次に、NEC(6701)です。アンソロピックとの戦略的な協業が報じられ、法人向け展開や人材育成での連携が期待されています。官公庁や重要インフラに強い同社は、日本の「ソブリンAI」的な需要を取り込む受け皿にもなり得ます。
今回の「日本株投資戦略」では、アンソロピックのIPOが実現した際に注目され得る日本企業に注目しました。スクリーニング条件は図表下の脚注に示した通りです。企業のAI活用が進む中、その後押しをする銘柄を例示した形です。足元の業績が悪いようでは心もとないため、しっかりと増益を確保している銘柄に絞りましたので、AI関連銘柄として注目できる銘柄でもあります。
一方で、注意点もあります。提携関係が業績に反映されるまでには時間がかかります。上場延期や市況悪化で「期待先行」が剥落するリスクもあります。また、各社とも他のAIベンダーとも協業しているため、アンソロピック一本の連動性は限定的です。したがって、短期の連想買いを狙うのか、導入支援の売上拡大を見る中期の視点なのかを分けて考えることが重要です。
★スクリーニング条件
(1)東証上場企業
(2)会社公表資料、WEBサイト、報道などからアンソロピックや同社のサービスとの関係が確認できた銘柄
(3)直近四半期(3ヵ月)の営業利益が前年同期比で10%超の増益
(4)取引所または日証金、当社による信用規制・注意喚起銘柄を除く(空売り規制銘柄は除きません)
掲載銘柄は上記条件をすべて満たしています。掲載の順番はコード順です。
一部掲載銘柄を解説!
サーバーワークス(4434)~アンソロピックとリセラー契約を締結し、主力のAWS関連サービス強化へ
◎「クラウド専業インテグレーター」として順調に成長
2000年に埼玉県和光市においてEC(電子商取引)のASP事業を目的に設立されました。2008年より同社が提供する各種ASPサービスのインフラ基盤としてAWS(Amazon Web Services)の活用を開始したことが契機となり、現在ではAWSのインテグレーション、リセール及びマネージドサービスの提供を主たる事業とする「クラウド専業インテグレーター」として活動しています。2021年8月には「Google Cloud」事業を展開する子会社を設立し、顧客ニーズの多様化などに応えています。
業績はおおむね順調で、売上高は増収基調となっています。クラウドインフラ市場でトップシェアを有しているAWSのアカウント数が継続的に増加。おおむね売上高比93~94%で推移しているストック売上高が順調に拡大しています。2026年2月期も売上高は400億6百万円(前期比12%増)となりました。同期は不採算案件の一時的な費用があり営業利益は6億2,500万円(前期比41.7%減)と減益でしたが、2027年2月期はその反動もあり回復が見込まれます。2027年2月期(通期)は売上高471億8,400万円(前期比17.9%増)、営業利益13億1,000万円(前期比109.6%増)が会社計画です。同期の第1四半期(2026年3月~5月期)は売上高119億3,300万円(前年同期比29.4%増)、営業利益3億9,800万円(同99.6%増)と順調なスタートになっています。
◎アンソロピックとリセラー契約
米アマゾン・ドット・コム(以下「アマゾン」)(AMZN)はアンソロピックと密接な関係を有しています。本年4月にアマゾンはアンソロピックに最大250億ドル追加出資すると発表しましたが、発表時点ですでに80億ドルを出資していましたので、実現すれば累計出資額は330億ドルに及ぶ計算です。
サーバーワークスは本年2月、アンソロピックとリセラー契約を締結。AWSの生成AIサービス「Amazon Bedrock」を通じて高性能AIモデル「Claude」を提供・販売することになりました。有力な商材の追加によりリセールサービスの一層の拡大が期待できそうです。
株価は2020年8月末の分割(1:2)を考慮しても同年4月や6月に10,000円を超える局面もありましたが、2026年は7月に安値1,772円を付けており、長期的視点では低迷傾向です。「SaaSの死」への懸念が影響した可能性もありそうです。こうした中で会社側は、AIの急速な普及は「代替リスク(脅威)ではなくクラウド消費量を非線形に増大させる大きな成長ドライバー」(会社資料)とみているようです。上記したように「AI」は同社の重要な商材であり、子会社の「Google Cloud」事業でも案件の70%がAI(Gemini)関連で占められていると報告されています。
なお、2027年2月期第2四半期累計の決算発表は10/15(木)の予定です。
日本電気(6701) ~日本の社会インフラや基幹業務を支える総合電機の一角。アンソロピックとの提携をテコにDX支援を強化
◎事業ポートフォリオの見直しが峠を越え成長軌道に
総合電機の一角を占めています。1899年に創業され、情報通信技術(ICT)により、日本の社会インフラや基幹業務を支えてきました。日本初の人工衛星や国産初のトランジスタ式電子計算機を世に送り出してきました。「半導体王国日本」を支えた時代もあり、1989年には日立製作所、東芝とともに世界半導体市場のトップ3を占めました。
2010年以降事業ポートフォリオの見直しを本格化し、半導体事業(2010年)、PC事業(2011年)、インターネットサービス事業(Biglobe・2014年)、携帯電話事業(2016年)、ディスプレイ事業(2020年)から撤退し、2024年には日本航空電子(6807)を売却しています。
現在では、日本を中心に官公庁、自治体、金融、企業など幅広い顧客層を対象とするITサービスは売上収益の76%(2027年3月期第1四半期)を占める主力事業です。残りはほとんどが社会インフラで航空宇宙・防衛、通信分野に展開しています。
事業ポートフォリオの見直しが峠を越え、2023年3月期~2026年3月期は前期比営業増益が続いています。2027年3月期第1四半期は売上収益8,197億円(前年同期比14.5%増・億円未満切り捨て)、営業利益587億円(同66.1%増)と、年度最初の四半期としては好調な滑り出しです。無形資産償却費やM&A費用などを加え戻したNon-GAAP営業利益は747億円(同86.9%増)でした。航空宇宙・防衛の増益が目立ちました。通期では売上収益3兆5,400億円(前期比1.2%減)、Non-GAAP営業利益は4,300億円(同8.9%増)の計画です。第1四半期発表時点で売上収益が400億円、Non-GAAP営業利益は100億円、それぞれ当初見通しから上方修正されました。
◎アンソロピックと日本企業初のグローバルパートナーシップ
同社はITサービスの中の注力事業としてDX支援サービス「ブルーステラ」を展開しています。同社は「ブルーステラ」を中心に、AIやサイバーセキュリティ技術を活用し、企業の業務効率化や新たな価値創造を支援していく方針です。「ブルーステラ」の事業規模は2026年3月期に約7,050億円でしたが、2031年3月期までに売上収益1兆3,000億円へ拡大する計画です。
「ブルーステラ」強化という流れの中、同社は本年4月、アンソロピックと「日本企業初」のグローバルパートナー契約を締結しました。顧客との取り組みを着実に進め、安全性・信頼性に優れた業務特化型AIソリューションを共同開発する方針です。本年6月には、MS&ADインシュアランスグループホールディングス株式会社、住友生命保険相互会社、株式会社大和証券グループ本社、三井住友トラストグループ株式会社、三井住友信託銀行株式会社、株式会社三井住友フィナンシャルグループ、明治安田生命保険相互会社など金融8社がこの協業への参加を開始しています。
NECとアンソロピックの協業は主要金融機関を巻き込んだ本格的な展開が期待されます。そんな同社ですが2026年は「SaaSの死」に巻きこまれる形で株価は1月高値6,036円から下げた水準にあります。巻き返しに期待したいところです。
▽当ページの内容につきましては、SBI証券 投資情報部長 鈴木による動画での詳しい解説も行っております。東証プライム市場を中心に好業績が期待される銘柄・株主優待特集など、気になる話題についてわかりやすくお伝えします。





