2015年J-REIT(Jリート)市場も上昇継続か?オフィス需要の高まりに期待

2015年の不動産投資信託(J-REIT)市場はどうなるであろうか。東証市場に上場するREIT全銘柄を対象に株価を指数化した東証REIT指数については、2014年12月時点で前年同月比より約30%も上昇した。背景としては、2014年より年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が日本株運用の見直しによりJ-REITに参入し始めたことや、長期金利の低位安定による金融機関の融資審査の軟化等が要因として大きかったものと思われる。


2014年のJ-REIT(JREIT)市場…投資法人の嬉しい悲鳴

REITは一般的に投資家に配当するため、減価償却前の営業純利益(NOI)利回りを5.5%程度に維持していかなければならない。都心部では2014年に物件価格の高騰によりNOIが4%前半まで落ち込んでしまった。投資マネーがREITに流入してくると、投資法人としては嬉しい悲鳴ではあるものの、同時に物件を積極的に購入しなければならいという使命も負う。そのため物件が高騰していく中で購入をせざるを得なかった2014年は、REITの全体利回りをキープしなければならないアセットマネージャー達にとって苦労した1年であったと思われる。


2015年J-REIT( Jリート)市場を占う鍵は?

利回りの状況としては、分母である価格の高騰により2014年11月には3.1%まで落ち込んだ。一方、日銀の金融緩和が継続したこともあって長期金利の代表である国債10年物最長期利回りについても2014年11月時点で0.4%まで下がっている。一般的に配当利回りと金利の差であるスプレッドが3%程度であれば投資適格と言われているが、投資口が上がり過ぎて2.7%まで落ち込んでしまった。投資口の高騰と利回りの低下の綱引きが2015年のREIT市場を占う鍵となってくる。