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J-REITへの投資が活況だ。日銀がJ-REITの積極的な買い入れを発表したことや、時価総額の市場規模が10兆円を超えて世界2位の市場規模になったことにより、J-REIT市場への投資資金の流入が続いている。昨年1年間で時価総額が4割弱も上昇しており、今後も活発な投資が見込まれる。では一口にJ-REITと言っても様々な銘柄があるが、一体どのような銘柄に投資していけば良いのだろうか。そこで今回は良いREITと悪いREITの見分け方について書いていこう。

J-REIT(Jリート)の種類

REITは収益不動産から得られる賃料収入を元に投資家への配当を行っている。そのためREITには賃料が発生する不動産の用途(アセットタイプ)毎に投資法人があり、それぞれ特徴がある。

REITのアセットタイプには「オフィス」、「住宅」、「商業」、「ホテル」、「物流」、「ヘルスケア」、「総合型」といったものがある。ここで総合型とは1つの投資法人が保有している不動産の中にオフィスや住宅、物流と言った複数のアセットタイプを混在して保有しているREITのことを言う。本来、リスク分散のためのオフィスを何割、住宅を何割保有する言ったアセットタイプの分散投資は投資家自身が決定して行うものである。

しかしながら、総合型の場合、初めから1つの銘柄が複数のアセットタイプを保有してしまっている。そのため投資家からすると総合型のREITはコンセプトが不明瞭であり、投資対象として選択しにくい。総合型のREITに投資する場合は、そのREITのポートフォリオの主要なアセットタイプとその割合を確認が必要だ。

J-REIT(Jリート)のスポンサー企業とは

では次に、投資するアセットタイプが決まった後に、どのREITに投資すべきか、その見るべきポイントを解説する。まず、REITには通常メインスポンサーが存在する。メインスポンサーが外資系の企業であれば単に資金の出資のみの役割と言った形も多い。

一方で国内のデベロッパーや商社のように新築物件の開発能力を有した企業がスポンサーである場合、その役割はREITへの物件供給という重要な役割を担っている。オフィスの場合、日本ビルファンド投資法人 <8951> であれば三井不動産 <8801> 、住宅の場合、アドバンス・レジデンス投資法人 <3269> であれば伊藤忠商事 <8001> や伊藤忠都市開発と言った企業がスポンサーになっている。

REITの運営に取って一番難しいのは、優良資産の購入だ。特に立地が良く、築浅の物件では、購入時点で入札になると価格競争が激しくなり、結果的に高値での購入になりがちだ。そうすると、投資法人が投資利回りの低い物件を購入することになり、投資法人全体の分配金利回りを下げてしまうことになる。

一方で、利回りの高い築古の物件を購入してしまえば、一時的に分配金利回りは上がったとしても、古い物件は退去リスクや賃下げリスクが高く、修繕費用もかかるため、これまた投資法人全体の分配金利回りを下げてしまう結果に繋がる。そのため、投資法人は保有しているポートフォリオの築年数を若く保ちながら、なおかつ分配金利回りを下げないという難しい運営をしていかなければならず、REITのアセットマネージャー達は日々、物件の購入に頭を悩ましている。

見極めるのを失敗するとJ-REITも倒産する可能性がある

そこでメインスポンサーがデベロッパー機能を有する不動産会社である場合、投資法人とスポンサー企業との間に、通常パイプライン契約と言われるスポンサーから物件を安定的に供給する契約が締結されている。本来であればスポンサー企業であるデベロッパーも少しでも高く売りたいところであるが、スポンサー企業はREITを支えて成長させる立場にあるため、その売買価格は第三者の鑑定評価額に基づいて決められている。REITが物件購入する際、鑑定評価を取得するのは適正な価格で購入していることを投資家にディスクロージャーすることが目的だ。

リーマンショック後にいくつかのREITが破綻したが、やはり物件購入に失敗したREITが多かった。せっかくREITに投資したものの、その投資法人が破綻してしまったのでは意味がない。そのため、これから投資するのであれば、まずはスポンサー企業がどこかを確認することから行い、良いREITか悪いREITかを見分けるのが良いであろう。

(ZUU online)