増える空き家への有効的な投資 適切なリフォームできていますか?


空き家法の成立

2014年11月に空家等対策の推進に関する特別措置法、いわゆる「空き家法」が成立した。総務省が発表した「平成25年住宅・土地統計調査」によると、2013年10月時点の空き家数は820万戸、空き家率は13.5%でとなっている。法の概要としては、そのまま放置すれば倒壊の恐れのある空き家や衛生上著しく有害となる恐れのある空き家などを「特定空家等」と位置付け、市町村がそれらの所有者に対して、撤去や修繕を命令できるというものである。

毎年増え続ける住宅と毎年減り続ける人口を考えれば、空き家率の拡大というのは当たり前の結果ではあるが、このように改めて法制度かまでされると、日本の住宅賃貸事業も本格的に難しい局面に入ってきたと思わざるを得ない。空き家率の増加は地方だけではなく、都内でも起こっている現象であり、もはや空室対策は全国の不動産オーナーにとって待ったなしの状況だ。そこで、今回は空き家を改善する有効な投資方法について探ってみたい。


基本はリフォーム

まず従来からの手法であるが、空き家の対策として最もオーソドックスなのがリフォームだ。一口にリフォームと言ってもポイントを外してしまうと効果が上がらない。専有部であれば、フローリングはもちろんのこと、キッチンやバス、洗面所と言った女性が目にする水回りの部分をおしゃれにリフォームすることが重要だ。

例えば、キッチンの天板をステンレス製から人工大理石にしたり、蛇口のレバーハンドルをプラスチック製からステンレス製にしたり、バスのシャワーヘッドを女性の髪が洗えるように大きめにしたりする等が挙げられる。これだけでも物件の案内時に、借手の印象が随分良くなる。リフォームをする場合、全部をまんべんなくリフォームするのではなく、ポイントを絞って「見せ場」を作ることを意識したい。

また1棟のマンションを保有しているのであれば、エントランスの仕上げをリフォームすることにも効果がある。エントランスの仕上げをタイルから石張りの床・壁に変更したり、扉や門扉をおしゃれなものに変えるだけでも、マンション全体のグレード感は上がった感じになる。これも物件案内時に借手の印象を上げる効果がある。