離脱が決まればEUの損失も大きいが決定的ダメージはギリシャ側に
チプラス首相は就任早々欧州のパートナー諸国に無断で、トロイカからの支援プログラムの下で合意されていた国内最大の港湾であるピレウス港の売却計画を停止し、反緊縮路線堅持でトロイカを挑発しはじめている。
しかし、金融市場ではギリシャの銀行が保有する資産が適格担保対象外となりECBの支援を今後受けられなくなるのではという懸念から株価は下落を継続しており、すでに預金流出も始まっている。ギリシャのEU離脱でスペイン、ポルトガル、アイルランドなどが同様の動きをする可能性が指摘されはじめている。
もちろん、EUにとっても組織存続に係わる大問題となることは事実ではあるが、それ以上に離脱したギリシャが国の経済を立て直せる可能性は極めて低いと言わざるを得ず、真偽のほどもわからないロシアからの支援だけをあてにしてEU離脱を行えば早晩デフォルトに直面する可能性は高い。
ただ、少人数とはいえ今回連立政権に参加している独立ギリシャ人がEU離脱宣言直前に連立解消を打ち出せば政権は更なる連立を模索せざるを得なくなり、一定の抑止力になる可能性も残されている。一部の銀行で始まっている預金流出がパニックとなって全土で取り付け騒ぎとなり、それがきっかけで暴動が起きればEU離脱を待たずにギリシャの金融システムが破綻する可能性もでてきている。現行の支援プログラムが終了する2月28日までは目の離せない期間が続きそうである。
(ZUU online)
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