高金利通貨の背景は?人気の豪ドル「複数の顔」にせまる

有望な投資先としての認知度は高く、とりわけFX投資家の間でとても人気の高い通貨が豪ドルだ。オーストラリアが先進国であるという安心感と、豊富な資源に裏付けられた好調な経済、そして高金利通貨として知られており、国内のFX取引会社でもほぼ全社が豪ドル円の取り扱いをしており、常に高い売買高となっている。長らく高金利通貨の代名詞でもある豪ドルだが、あまり知られていない高金利の背景や知っておきたいリスクについて解説しよう。


先進国通貨でありながら高金利の資源国通貨でもある

豪ドルの人気が高いのは先進国通貨でありながら高金利だから。豊富な資源が支える好調な経済状況がこの高金利を維持している。

オーストラリアは広大な国土を持ち金や石炭、鉄鉱石など豊富な地下資源に恵まれており、資源輸出先である中国やインドなど新興国の旺盛な需要に支えられて好調な経済を維持している。今ではこうした新興国が輸出先のトップだが、かつては日本がトップだった。つまり、世界のどこかに高度な経済成長を続けている国があれば、オーストラリアの経済は潤うという仕組みが成り立っている。

また、豊富な資源だけでなく、先進国として政治的にも安定しているので世界各国が安心感を持って取引できる点も大きく、今後もその安定感は続くものと見られる。

日本との時差が1時間と小さく、取引時間が重複しているのも特に日本の投資家に人気が高い点だ。


好景気だから高金利

好調な経済ゆえに物価上昇率が高く、いきすぎた物価上昇がインフレを引き起こす懸念がある。そこで金融引き締め策として政策金利を高く設定し、結果としてこの政策が現在の高金利状態を生むこととなった。近年では高金利が魅力でFXに限らず、外貨預金などで海外からお金が集まり、経済成長につながる好循環も。

旺盛な資源需要を背景としたオーストラリア経済の好調が続く限り、この高金利は続くと見てよいが、近年の資源価格の下落により豪中銀が政策金利の0.25%の引き下げを決定(2015年2月3日現在)するなど、高金利通貨としての魅力が薄れつつある懸念も拭えない。