もっと便利に、快適になるようにリフォームをしたいけれど、実際にどれくらいの金額、時間がかかるのか、そしてどのようなリフォームが必要なのか、具体的なイメージがつきにくい人も少なくないだろう。
リフォームのニーズとして多い「水回り」「空間構成」「システム」の3つについて、最適なリフォームプランを事例を参考に立ててみよう。
水回りをリフォームする
リフォームの需要がもっとも多いのが、この「水回り」。キッチンや浴室、洗面所、トイレなど、水を使うところは快適さと便利さが特に要求される場所でもある。導入する設備や器具によって大きく費用が変わってくるのも、水回りの特徴だ。
キッチンの事例
大阪府大阪市の事例を見てみよう。キッチンと浴室とトイレ、そして洗面所の水回りの4か所のリフォームで、工期は約1カ月であった。キッチンは、システムキッチンとビルトインコンロを入れ替え、同じくビルトインタイプのレンジも導入。キッチン専用の床暖房とエアコンを設置して、キッチンすべてのリフォームは217万円で完成した。
キッチンの相場
キッチンでは、ガスコンロの入れ替えは10～20万円、システムキッチン全体の入れ替えは50～250万円が相場だ。ガスコンロは国内メーカーが主流なので価格の幅は大きくはないが、システムキッチンになると輸入製品も多く、価格の幅が非常に大きくなる。人気のアイランド型のシステムキッチンを導入する場合は、国産・輸入にかかわらず150万円以上かかることが多いという。また、オール電化に伴いIHクッキングヒーターに替える場合のリフォームは、30万円前後が必要だ。
浴室の事例
浴槽は従来のものを問題なく使える状態であったので再利用し、浴室全体の空間を広げる工事と壁などを新しくする工事、ボイラーを交換する工事を行った。工事費用はボイラー代も含めて100万円。
浴室の相場
浴槽そのものは50万円前後で入れ替えることが可能だが、ユニットバス全体を交換するとなると100万円前後と価格は倍にはね上がる。ユニットバスではない浴室をユニットバス形式にする場合はそこに解体費などがプラスされるので、130万円前後を見ておきたい。
トイレと洗面所の事例
1階のトイレは再利用し、2階にトイレと洗面所、シャワーブースを新規に設置した。2階のすべての設備と、1階のトイレ脇の収納庫付の手洗い台の設置にかかった費用は、総額で160万円。
トイレと洗面所の相場
洋式トイレの便座を洗浄機能付に交換するのは10万円前後で可能だが、便器全体を交換すると20～50万円が必要になる。また、それに合わせて床や壁の張り替えも行う場合は30～80万円ほど必要だ。和式トイレを洋式にするときには配線工事もあわせて必要になるので、さらに10万円ほどかかることになる
洗面台は、同じサイズのものに交換するのは10～30万円ほどでできるが、幅を広くしたりする場合は、配管や配線の他に床や壁の工事も必要になるため40万円以上かかることが多い。
空間構成をリフォームする
家族構成が変わると、部屋数を増やしたり、個室よりも居間を広くする必要が生じたり等、空間の構成もあわせて変化させたくなるものだ。このように空間構成をリフォームする場合についてはどうだろうか。
リビングを広くする事例
東京都渋谷区の事例を見てみよう。築35年のマンションの、ダイニングとリビングの間にある壁を取り払うことで、広いLDを実現した。床のフローリングもすべて張り替えて、かかった工費は160万円、工期は約3カ月となった。
リビングを広くする相場
天井や壁などのクロスの張り替えは20万円程度で行えるという。床材のフローリングの張り替えは、材質とリビングの広さにもよるが20～50万円が相場だ。また、人気の床暖房の導入は、40～100万円ほどで可能である。
隣室の壁などを取り払う工事は、構造をどの程度変えるかにもよるが50～300万円ほどかかることが多い。
システムをリフォームする
オール電化や太陽光発電を取り入れる家庭も増えてきていると思う。それらのシステムのリフォームの事例と相場を見てみよう。
オール電化と太陽光発電の事例
埼玉県熊谷市の事例では、ガス給湯器をエコキュートに、ガスコンロをIHクッキングヒーターにし、発電量4.2kWの太陽光発電システムを導入して、オール電化と太陽光発電の家を実現した。総額は350万円かかったが、光熱費が年間で18万円程度節約できている。工期は3日であった。
オール電化と太陽光発電の相場
太陽光発電は3～4kWの発電量で200～300万円、オール電化の工事と給湯器とキッチンのコンロの取り換えで50万円前後が相場だ。太陽光発電の普及とともに、システム自体の価格は下がってきているという。
リフォームをすることによって、家族みんなが快適に暮らすことができる、より良い家づくりが可能になるかもしれない。
そのためには、情報収集をきちんと行なうことが必要である。リフォームには減税、補助金制度があり、費用面での懸念をサポートしてくれる体制も整っている。また、リフォーム会社への相談、見積もり依頼は無料で頼むことができるので、会社選びの際には数社のものを比較してみると良いだろう。
設備を取り替える小規模なリフォームから家の構造やシステムを変える大規模なリフォームまで、それぞれの希望と必要に応じて最適なプランを作成することが大切となってくるだろう。
