カギを握るポートフォリオの多様化

こうした投資環境のなか、シラー教授は2月18日に再び出演したCNBCの番組で、「自分が投資しているポートフォリオの半分を米株式から移している」と述べて、注目を浴びた。同教授は、「驚くほどの低金利が割高感をもたらしている米国株に比べて、欧州株はかなり割安になっている」と発言し、「イタリアとスペインの株式にすでに投資している」と明らかにした。

投資先としての米住宅市場について同教授は、「S&Pケース・シラー住宅価格指数は2012年から大幅な上昇を続けてきたが、それは続かないだろう」と予測。「現在のレベルは歴史的に見て適正だ。ここからは、近い将来あまり動かないのではないか」との見方を示した。シラー教授は、「歴史的な低金利の中、資産運用のリターンはあまり期待できなくなっていく。だから、貯蓄を増やすことが大切だ」とし、ポートフォリオの一部を株式や債券から貯蓄に移すことも勧めている。

さらに、「ポートフォリオの投資先国を多様化させるべきだ。特に、欧州など米国外に目を向けるべきだ」とアドバイスを投資家に送った。その上でシラー教授は、「未来は、常に予想もしなかったサプライズが起こるものだ。だからこそ、損から身を守るベストな方法は、ポートフォリオの多様化なのだ」と締めくくった。

このようなアドバイスが専門家から投資家に送られる中、米国時間の2月24日と25日にイエレンFRB議長が米議会で行う証言の内容は、以前に比較してほんの些細な変化であっても、「債券バブル」のただ中にいる世界の投資関係者の耳目を独占し、踊らせることは間違いない。

(在米ジャーナリスト 岩田太郎)

(ZUU online)

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