2015年は、北陸地方にとっての当たり年だ。その起爆剤になるのは、言うまでもなく北陸新幹線の開業だ。東京と金沢が最短2時間28分で結ばれ、大きな経済効果をもたらすと期待されている。この恩恵を享受するする企業は、どこなのか。北陸新幹線関連の10銘柄を厳選した。

北陸の消費拡大で直接的なメリットを享受する3銘柄

まずは、北陸地方に多くの人が訪れることによって直接的なメリットが期待されるのが地元の百貨店である大和 <8247> だ。金沢市に本社を構え、金沢だけでなく富山と高岡にも支店を有し、北陸新幹線の停車駅を見事に網羅しているため、消費の拡大が期待される。同様に北陸最大手のドラッグストアであるクスリのアオキ <3398> 、北陸を地盤に飲食店を展開するハチバン <9950> にも注目したい。同社は「8番らーめん」の展開で北陸地方に強みを持つが、早くから海外で展開しているため外国人からの知名度が高く、そのことが営業面に寄与すると期待されている。

北陸への経済効果がもたらす二次的効果

北陸地方の経済が活性化し、企業活動が活発になることによって二次的なメリットを享受する銘柄群がある。

富山県高岡市に本社を構える物流企業、トナミホールディングス <9070> だ。物流事業で北陸地方に強みを持っているため、企業活動が活発になることによる恩恵がもたらされる。企業の設備投資が活発になることにより、地元のエンジニアリング商社である三谷産業 <8285> も注目だ。こうした動きにより、金融業へのニーズも旺盛になるため、北陸地方の有力金融機関である北國銀行 <8363> 、富山銀行 <8365> はいずれも昨年の終盤から株価が堅調に推移している。

北陸新幹線銘柄はインバウンド銘柄でもある

近年、訪日外国人による旺盛な消費の経済効果が看過できない規模に成長しており、日本政府観光局(JNTO)の調べでは2014年の訪日外国人数が1341万人に達し、彼らの消費をまとめた観光庁の訪日外国人消費動向調査では2兆円を突破したことが明らかになった。

急成長しているインバウンド消費が北陸新幹線の開業で北陸地方にも波及するのは確実で、上述の百貨店や飲食店に多大な経済効果をもたらすと見られる。

これを踏まえて注目したいのが、お土産品卸で業界最大手のタカチホ <8225> と、北陸企業ではないが全国各地の銘菓を企画製造している寿スピリッツ <2222> の2社だ。また、富山県の特産品である鮮魚などを自社で調達して販売する総合流通業のアルピス <7475> もすでに株価が上昇しており、開業に合わせてさらなる伸びしろが見込まれる。

(ZUU online)