日本米が、中国でブランド化
一方で、日本輸入米は非常に高価だが、「香りが良くおいしい米」として独自のブランドを築き、中国米や東南アジア米とは一線を画している。中国メディア、新華網は日本輸入米について「新しいぜいたく品」と形容している。中国の富裕層は急速に増加していることから、今後、日本輸入米は中国の米市場で次第に影響力を持つとみられる。
浙江新燮月光農業科技有限公司は最近のこうした流れを敏感にキャッチし、日本から籾(もみ)だねを持ち帰り、中国の日本米ブランド「越前」として浙江省東部の長興県で生産を始めた。すでに中国当局の鉛、カドミウム、水銀、農薬やその他化学物質の検査に合格したという。しかし消費者からは「日本で生産していない以上、信用できない」との手厳しい声も多い。
あらゆる農業保護に疑問、日本流の品質の良さでいまこそ海外へ
「日本の安全な環境の中でつくられた上質の米」というのが、消費者の日本輸入米に対するイメージだろう。それに対して消費者は惜しまずカネを出し、日本輸入米を手に入れようとしている。
日本を振り返ってみると、環太平洋経済連携協定(TPP)に参加することに対して懸念の声もあるが、中国での日本輸入米のように独自ブランドを築き、現地より10倍高くても受け入れられるケースもある。日本は農産物の改良のために多くの研究費を投下してきた。自国の農産物により自信を持ち、積極的に海外へ攻勢をかけてもいいのではないだろうか。
(ZUU online)