シェアオフィス
(写真=Thinkstock/Getty Images)

東京都のシェアハウスが物凄い勢いで急増している。国土交通省が調査した「シェアハウス等における契約実態等に関する調査報告書」によると、全国のシェアハウスの4分の3である約2,000件が東京都にあり、その内の約1,900件が23区内に立地している。しかもその割合は年率約30%で増えていっている。


シェアハウスの黎明期から大型化時代へ

当初、シェアハウスは個人オーナーの空室対策として小ぶりなタイプのものが多かった。ファミリータイプのマンションを複数人で暮らす形から始まり、だんだん一棟丸ごとをリノベーションする形のものへ変化し、運営会社も関与するようになった。運営会社にとって、通常のワンルームマンションであればプロパティマネジメントフィー(PMフィー)が2~3%と過当競争が激しい中、シェアハウスの管理であれば7~8%も取れることから、一気に参入業者が増えるようになった。

また一棟丸ごとリノベーションする時代になってからは、大手ディベロッパーも開発に参入することになり、100戸クラスのシェアハウスも出来るようになった。一棟丸ごとリノベーションするタイプでは共用部の充実度が入居者を集める決め手となる。

最近ではリノベーションでなく、いきなり新築でシェアハウスを建てる事業者も増えてきた。シェアハウスはワンルーム条例のような規制が無く、都内のどこでも建て易いといったメリットがある。また、オペレーターが信頼できる会社であれば住宅系REIT(不動産投資信託)のポートフォリオに組み込み始めているため、開発後の出口も確立されつつある。


シェアハウスのターゲット層「新しいコミュニティ」を求める

シェアハウス黎明期は単純に安さを求める人達がターゲットの大半を占めていた。今でもシェアハウスは安いというイメージではあるが、最近は周辺のワンルームと家賃に大差がない物件も登場し始めている。これは、シェアハウスのターゲットとなる人達が、単純に安さを求めている訳ではなく、これまでにない新しいコミュニティの構築を普段の暮らしの中に求め始めてきたからだ。

そのため、経済的に余裕のある入居者も増え始めている。業界関係者によると、あえて賃料の安い女性専用のシェアハウスに住み、将来マンションを購入するための資金を貯めるといった堅実な女性も居るとのことだ。


シェアハウスの新しい利用方法「ショートステイ」

そのため、最近のシェアハウスはコンセプトを明確にしたものが増え続けている。女性専門はもちろん、スポーツや音楽、健康、家庭菜園といったキーワードを前面に押し出し、共通の趣味を持つ人たちが入居するようになってきている。

また、シェアハウスの「ショートスティ」という利用も増えつつある。地方から来た人たちが、シェアハウスに住み、そこを基盤に就職活動をするのだ。シェアハウスは通常、家具付きで敷金・礼金も無い所が多く、入居のハードルが低い。そのためホテルに連泊するよりもコストが安く、なおかつ東京に友達ができるというメリットがある。現在、地方から若者が流出しているが、シェアハウスがその流れを加速させる一翼を担っているという見方も存在する。


これからの住宅キーワードは「シェア」と「ファミリー」

これからのシェアハウスとしては、やはりファミリー向けが増えていくだろう。現在、シェアハウスに住んでいる住人は、そこで知り合った男女が結婚するパターンが多いという。管理会社の担当者はその都度お祝儀を払うため、お祝儀貧乏になってしまうそうだ。

こうして共同生活が好きな人たちは、結婚後も共同生活を好む傾向にある。そのため、最近では単身用シェアハウスの卒業者達が複数で住める、ファミリー用シェアハウスが出始めてきたようだ。

シングルマザー専門シェアハウスも増えてきている。共働きの増加による保育園不足をファミリー向けシェアハウスが解決してくれるのかもしれない。

年々空室が増えつつある日本の住宅にとって、「シェア」と「ファミリー」というキーワードが一つの解決策になりそうだ。(ZUU online 編集部)

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