インフレーション時の資産運用

◎現預金だけで資産運用をするリスク


2012年12月26日に第二次安倍政権が誕生してから約1年が経ちます。民主党政権下でも続いたデフレーションにようやく終わりの兆しが見えてきました。ローソンのように賃金を持続的に上げていく企業も現れたり、アルバイトやパートタイムの時給が上昇し始めたりするなど、景気回復に向けた期待は高まります。しかしながら、手放しで喜んで入られません。黒田日銀総裁はインフレーションを起こすための下準備を着々としているからです。

2013年4月に行われた日銀の金融政策決定会合では2%の「物価安定の目標」を2年程度で実現させようとするために、異次元の「量的・質的金融緩和」政策を取っていくことが決定しました。デフレーション下では、現預金を持っていればどんどん貨幣価値が上がっていきましたが、インフレーション下では反対のことが起こります。つまり、現預金だけで資産を保有しているということが大きなリスクとなってくるのです。

インフレーションではどのような資産を保有していれば良いのか。今回は外貨預金、株式、不動産を取り上げてみました。

(1)外貨預金


ドル預金、ユーロ預金など、日本円を他の通貨に変えておくことはインフレーションに対応するための1つの手段と言えます。
しかし、気をつけなければならないことは、交換する先の通貨発行国で日本ほどインフレーションが起きていないということです。

一例を挙げれば、これから米ドルを持つことは資産運用における重要な選択肢となります。なぜならば、日本ではインフレーションの目標が「2年で2%程度」と決められ、量的・質的金融緩和策が行われる一方で、アメリカではFRBがリーマン・ショック以降続いけてきた量的緩和を2014年1月に縮小することを決めました。つまり、日本では円の供給量がこれからも増える一方で、アメリカではドルの供給を減らすと言うわけです。これは、円安ドル高になる要因でもあります。実際にドル円相場は1ドル80円台という時期が長く続きましたが、2013年12月25日時点では1ドル104円台となっています。

日本でインフレーションが起きるようであれば、円は相対的に通貨安となりうる可能性があるのです。早めに経済が安定している国の外国通貨に変えておくということはインフレーション対策として有力です。

(2)株式


株式はインフレーションという経済環境においては代表候補といえる金融商品と言えます。なぜならば、企業は事業活動において価格転嫁を行い得るからです。つまり、企業はインフレーションの一助を担っているところでもあるということです。仕入れ価格が上がれば、その分を売上げに回さなければなりません。また、賃金を上げれば、その分を売上価格に上乗せしなければなりません。

インフレーションにおいては、価格転嫁ができるかどうかが重要となります。価格転嫁がうまくいき、売上も利益も伸ばすことができれば、株価も上がります。自ら事業をすることがイメージできなくても、世の中に必要なモノやサービスを提供している企業に投資をしておくことで、十分にインフレーションに対応できるというわけです。

但し、気をつけなければならないことは、インフレーション時には投機資金も流入しやすいということです。急激に株価が上昇している様な銘柄には十分に注意をしましょう。持続的な成長に裏付けされているのか、短期的な投機筋の動きなのかを見極めておくことが大切です。