分散投資によってリスクを抑えることが可能な「投資信託」。ただ、銘柄が多すぎて、自分にはどのタイプの投資信託が合うのか分からないという人も、多いのではないだろうか。最適の投資信託を見つけるためにも、投資信託の種類と性質についての理解を深めよう。

目次

  1. 投資信託の種類
  2. 国内株型と外国株型、内外
  3. 追加型と単位型
  4. 独立した区分‐MRF、MMF、ETF

投資信託の種類

投資信託は、その投資対象によっていくつかの種類に分けられる。投資信託の種類と、それぞれどのような人に向いているのかを見ていこう。

公社債型と株式型の違い

まず、投資信託は「公社債型」と「株式型」の大きく2つのカテゴリーに分けられる。「公社債型」とは、投資対象に株式を一切組み入れないもので、「債券型」や「不動産投資信託(REIT)」などがこれに当てはまる。

「株式型」は投資対象に株式が組み込まれているもので、株式のみで構成される「株式型」、株式や債券・REITなどを組み合わせた「バランス型」などを指す。

債券型とは?

債券型は、他の投資信託よりリスクが少ない分、利回りも低いのが特徴だ。債券型の中でも「国債」や「地方債」はよりリスクが低く、利回りもより低いといえるだろう。

一般に元本割れしないように組み合わせられているので、リスクを最小限にしたい方や投資初心者、長期の投資が可能な方が向いていると言えるだろう。

不動産投信とは?

不動産を投資対象とする投資信託や投資法人のことを「REIT」と呼ぶ。定期的に収益を「分配金」として投資家に分配することが多く、定期的な利益を得たい投資家向きと言えるだろう。

一方で不動産価格やテナントの入居率等により大きく運営が左右され、さらに元本の保証がなく、リスクはある程度高い投資信託であることは否めない。もちろん運営がうまくいっていれば高利回りも見込めるので、全体としては中リスク中リターンに分類できる。

【関連記事】 不動産投資信託(J-REIT)とは?不動産投資の魅力

バランス型とは?

株式と債券、国内株と海外株、さまざまな組み合わせを持つ「バランス型」。投資対象によりリスクの大きさが異なってくるため、購入するときは投資信託の中身をしっかり確認しよう。

特徴としてはさまざまな投資対象を組み合わせている分、運営に必要な「信託報酬」が高くなることが多い。リスクは分散されるがコストがかかるため、全体的には中リスク中リターンと分類できる。また、時間の経過とともにこまめに投資対象の配分が変更されるため、長期的な資産運用にも適していると思われる。

株式型とは?

一つの国の株式のみの組み合わせや、複数の国の株式で構成されるもの、投資対象を一つの業種に絞った投資信託や、東証株価指数(TOPIX)などの指数に連動する投資信託など、種類が豊富なのが株式型の特徴だ。

投資信託の中では最も価格の変動が激しく、高リスク高リターンの商品が多い。そのため、ある程度投資信託の経験がある人に向いているものだ。

国内株型と外国株型、内外

投資信託の投資対象が利益を生じる地域によって、「国内型投資信託」「海外型投資信託」そして国内と海外の対象を組み合わせた「内外型投資信託」に分けられる。株式型においても債券型・REITにおいても、為替変動の影響を受けるため海外型の投資信託の方が高リスクのことが多い。投資信託初心者なら、まずはリスクが比較的低い「国内型」から始めてみるのがいいだろう。

外国株型では米国や中国だけでなく、ブラジルやオーストラリア、ベトナムやタイ、インド、ロシアなどの投資信託も購入できる。またユーロ圏や北米圏など、複数の国を包括する地域に限定した投資信託も販売されている。新興国の投資信託はリスクも高い代わりにリターンも高い傾向があるので、よく調べたうえで挑戦してみてもいいだろう。

追加型と単位型

基本的に株式には購入期限はないが、投資信託には購入期限が決められているものもある。購入期限が限定されているものを「単位型」といい、3年や5年など投資期間も初めに設定されている。満期が来たら自動的に換金されるため、資金計画を立てやすい投資信託と言えるだろう。

一方、いつでも購入や売却が行える投資信託を「追加型」といい、これなら市場の動きをみて売却のタイミングを計ることができる。投資に積極的に関わりたいのであれば、この「追加型」が向いているだろう。

アクティブファンドとインデックスファンド、特殊型

運用の方針で投資信託を見ると「アクティブファンド」と「インデックスファンド」に分けられる。それぞれの特徴と、どのような人に向いているか、また「特殊型」とは何なのかも併せて見ていこう。

アクティブファンドとは?

予測や調査を活かし、市場平均よりも大きな利益を上げることを目的とする投資信託を「アクティブファンド」と呼ぶ。見通しを誤ると大きな損失になる可能性もあるが、うまく予測できれば多大な利益を得ることも可能だ。ある程度リスクを取っても大きな収益を期待したい人のための投資信託と言えるだろう。

インデックス(パッシブ)ファンドとは?

反対に市場平均の利益を上げることを目指す、いわば受け身の投資信託が「インデックス(パッシブ)ファンド」だ。運用方法も頻繁に変更されず、運営に必要なコストである「信託報酬」が比較的安いものが多い。

アクティブファンドと比較して動きが鈍い分、総じてリスクはそう高くならないのがの特徴だ。

特殊型とは?

投資者に対して注意を呼び掛ける必要のある特殊な仕組みや手法を用いる投資信託を「特殊型」と呼ぶ。これはそれぞれの投資信託において異なるので、一概にまとめることができない。投資信託の内容を説明した「目論見書」などをしっかり読んで理解してから購入するべきものである。

独立した区分‐MRF、MMF、ETF

他の分類として、「MRF」「MMF」「ETF」がある。それぞれの内容について理解を深めよう。

MRFとは?

公社債型で、いつでも手数料なしで売却ができ、運用実績に応じて分配金が変動する投資信託の中で流動性を確保するため高格付けの公社債や短期の金融商品が組み込まれているものをMRF(マネー・リザーブ・ファンド)と呼ぶ。

MMFとは?

MRFと同じく、公社債型で、いつでも手数料なく売却ができ、運用実績に応じて分配金が変動する投資信託である。毎日決算が行われ、常に10,000円の価格となるように調整されており、分配金は月に一度再投資の資金に充当される。いつでも売却ができるが、30日未満の場合のみ手数料が差し引かれる。

ETFとは?どんな人に向いているか?

指数に連動することを目的に構成されている投資信託を「上場投資信託(ETF)」と呼ぶ。TOPIX連動型や日経225連動型などがあり、上場されているので株式と同様、リアルタイムでの注文や、金額を指定した注文が行えることが特徴だ。指数に連動するので信託報酬も比較的少ない。

通常の投資信託は10,000円程度から始めることができるが、ETFは最低10万円程度必要となる。株価と同じく価格が毎日変動するので、こまめに市場をチェックして投資ができる人向きと言えるだろう。

【関連記事】 ETFとは-上場投資信託でリスクを抑えた分散投資を始めるには?

いろいろな種類の投資信託を吟味して、自分に最適なものを選択したら、銘柄を絞り込んでいこう。投資信託を始めるなら、銀行や店舗型証券と比べ、取扱本数が圧倒的に豊富なネット証券がよいだろう。業界最多の取扱数を誇る「 SBI証券 」とそれに次ぐ「 楽天証券 」は、投資信託銘柄検索機能も優れており、特におすすめできるネット証券だ。まずは無料で口座を開設してみてはいかがだろうか。

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