現在、テレビやネットの見出しから、ニュースを仕入れることが主流となっている。また、新聞購読を行っていない家庭も、確実に増えてきている。新聞は、すでに時代遅れのメディアなのだろうか。
だが、時代の最先端を走るIT企業の社長は、口をそろえて「新聞を読むことが必要だ」と語る。今、なぜ、新聞を読むことが必要なのか、そして限られた時間をどのように新聞に費やしたらよいのかについて見ていこう。
サイバーエージェント社長 藤田晋さん
「新聞はビジネスの共通言語」
2,000年に、創業からわずか2年で上場を果たした「株式会社サイバーエージェント」は、ブログやオンラインゲームなど、ネットに関わる事業を多岐にわたって行う企業である。その社長である藤田晋氏は、「新聞はビジネスの共通言語だ」と語る。その真意を解明していこう。
新聞なしにはビジネスが成立しない
いくらネットが発達した世の中になっても、結局のところビジネスは人と人との関係で成り立つ。人の言葉でビジネスが始まり、お互いが共通とする知識を土台として、ビジネスは展開していく。
だが、その共通とするはずの知識をどちらか一方が持っていないなら、スムーズな仕事の進行は望むことすらできないだろう。つまり、ビジネスの共通言語・共有する知識であるはずの「新聞」を読んでいないなら、正常な意思疎通が叶わないのだ。
ネット事業という時代を先導する企業のビジネスにおいても、「新聞」は最大かつ最強の情報源として捉えられている。同じ時代を生きる社会人、そして次の社会人となる学生も、「新聞」という共通言語を疎かにすることはできないと言えるだろう。
グリー株式会社社長 田中良和さん
「ニュースの背景を読み解く」
日本を代表するSNSでもある「グリー株式会社」の社長・田中良和氏は、「新聞にはニュースの背景が記されている」と述べる。また、ネットコミュニケーションツールを提供する立場に身を置きながらも、毎日30分は新聞を読むために時間をとっている。なぜ、ネットではなく新聞にこだわるのか、その理由を探っていこう。
限られたスペースであることの魅力
田中氏は「新聞とネットの最大の違いは、スペースが限られているかいないかにある」と語る。いくらでも情報を詰め込めるネットとは異なり、新聞は限られたスペース、限られた文字数でニュースを紹介しなくてはならない。限られたスペースであるからこそ情報の淘汰が行われ、本当に必要なニュースとその背景を端的に示す技量が必要とされる。
ニュースを読む側から見ても、限られたスペースに必要な情報がすべて記されているので、短時間で情報を得ることができると言える。質の高い情報を、限られた枠の中に記した新聞は、まさに厳選された情報の宝庫なのだ。
田中氏自身もネットビジネスの起業のきっかけは、新聞を読んでこれからインターネットが世界に広がることを知ったことにあるという。人より一歩先ゆく情報を得たいなら、まずは「新聞」を熟読することから始める必要があるのだ。
GMOインターネットCEO 熊谷正寿さん
「新聞を3度読んで内容を頭に叩き込む」
ネット証券やインターネットインフラ、ネット広告などの事業を行う「GMOインターネット株式会社」のCEOである熊谷正寿氏は、多方面にネット事業を展開しながらも、4紙の新聞を購読し、気になる記事を赤線で囲み、スクラップし、読み返すという作業を20年以上続けている。
なぜ、熊谷氏が、古典的ともいえるスクラップ作業を行うのか、その理由に迫ってみよう。
スクラップ作業は情報収集の近道
必要な情報を仕入れるという目標を到達することはできても、時間がかかりすぎるならそれは間違った情報収集手段と言えるだろう。時間を浪費せずに情報を仕入れることが、即ち、ビジネスチャンスを逃さないことでもある。
時間をかけるスクラップ作業は、一見、遠回りの情報収集手段とも思える。だが、スクラップを作成するにあたって、気になる記事を少なくとも3度は読み返すことになるので、否応なしに内容を頭に叩き込むことができるのだ。さらに、スクラップ作業を通して、情報がいつでも使用できる状態へと変換されるので、結局は情報収集の近道とも言えるのだ。
学生や社会人にとって有益な情報が満載の証券口座
その名の通り日本を代表する経済新聞である日本経済新聞は、ビジネスの共通言語でもあり、ビジネスに欠かすことができない情報源でもある。日本最大級のビジネスデータベース「日経テレコン」は、その日本経済新聞を含む全国の50の新聞の記事をカバーし、正確な情報を提供するツールとして、上場企業の約70%に導入されている。
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