◉ジャパンディスプレイの投資対象としての評価


以上の結果を簡単に整理すると、

・中核製品の対象市場の成長性は高い
・財務の安定性は高い
・積極的な投資を行っている
・電気機器産業内では経営の効率性は高い
・想定株価は適正水準である

となります。

現時点では財務が安定しており、市場動向も良好であり、今後の投資もうまくいけば安定して成長していく可能性があると言えます。

一方で、想定株価は適正水準である可能性があり、IPOの規模が大きい故、短期的な投資で利益を出せる可能性は小さいかもしれません。寧ろ、投資対象として利用するならば、財務の安定性と市場の成長性を考慮し、インカムゲイン狙いの投資の方が良いかもしれません。

但し、現時点では想定株価が適正水準であるとは言え、営業利益については平成25年3月期実績が101.06億円、平成26年3月期予想が301.0億円と大幅に変化しており、今期が大幅に円安であった事を考慮すると、EV/EBITDA倍率の分母を今後も維持出来るかには不安が残ります。また、現時点ではジャパンディスプレイが高い技術による競争力を持っていますが、今後競合他社が技術を高めてきた場合に価格競争に陥って競争力を失う可能性もあるので、投資対象にする場合は細かく業界の動向を見極めていく必要があります。


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【参考】
2014年の目玉銘柄!ジャパンディスプレイ上場と株価の展望について
上場間近のジャパンディスプレイの成長性と初値を分析する~本当に市場において戦略面で勝てるのか?~?


◉参考文献

[1] 株式会社ジャパンディスプレイ:有価証券届出書(Edinet)
[2] 株式会社ジャパンディスプレイ: 平成 26 年3月期の業績予想について(PDF)
[3] 電気機器財務分析(財務分析.jp)
[4] ROA:業種平均ランキング(EDIUNET)


BY たけやん:経済学修士号取得後、株価推定事業・研究を行っている

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photo:株式会社ジャパンディスプレイ