ジャパンディスプレイⅢ

IPO(initial public offering)とは、未上場会社の株式を証券市場(株式市場)において売買可能にすることを指します。株式を公募や売り出しによって新規に公開することから「新規公開」とも呼ばれています。日本においては、かつて証券市場に上場する方法と、日本証券業の登録銘柄となる方法(店頭登録)とがありましたが、後者の制度が廃止されてジャスダックに移行したため、現在では、前者の方法のみが存在しています。今年に入りIPOを実施した全ての企業の株の初値が公開価格を上回るなど滑り出しは順調で、アベノミクスへの期待に伴う株高という追い風を受けたIPO市場は今後も好況を呈していくと言えそうです。

今回はそのIPO銘柄の中でも、今月初めに東証に上場申請を出したジャパンディスプレイについての記事をお届けします。上場予定は早ければ来年2月、時価総額は7000億円規模の大型上場となり、調達資金は2000億円前後の見込みです。調達資金は既存の液晶工場の増強や新工場の建設資金などに充てられるとみられています。投資を見据える方は是非ともチェックしておく必要があると言えそうです。

【参考】
初値はいかに?ジャパンディスプレイのIPOに投資するなら株価は長い目で見るべき?
上場間近のジャパンディスプレイの成長性と初値を分析する~本当に市場において戦略面で勝てるのか?~?


●ジャパンディスプレイの会社概要


では、話題になっているジャパンディスプレイという会社は、どのような会社なのでしょうか?簡単に見てみましょう。

ジャパンディスプレイ(略称:JDI)は、ソニーモバイルディスプレイ株式会社、東芝モバイルディスプレイ株式会社、株式会社日立ディスプレイズの3社が事業を統合した合弁会社であり、産業革新機構が第三者割当増資で2000億円を出資する形で、2011年11月に設立されました。出資割合は、日立製作所、東芝、ソニーが10%ずつ、残り70%を産業革新機構が出資する形となっています。

主な事業内容は、中小型液晶ディスプレイの製造で、スマートフォンやタブレット端末向けの液晶の製造を行っています。13年3月期の売上高は約4500億円であり、中小型液晶パネルの市場シェアでは国内1位、世界的シェアを見てもサムスンの36%に次ぐ14%と、世界2位の座に位置しています。(参考:LG13%、シャープ13%)最近話題のアイフォーン5S、5Cにも液晶を供給しており、今後もスマートフォン用の液晶を中心に生産増増加による利益拡大を図ると言えそうです。


なぜ前倒し上場なのか?