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(写真=Thinkstock/Getty Images)

2日の東京株式市場では、日経平均株価が13日ぶり反落も押し目買い意欲は強い。騰勢を強める日本株の中でも、個人投資家の大きな注目を集めるのが東京電力 <9501> などの電力株の値動きだ。東電は2日に年初来高値の772円まで買われ、2日終値時点での昨年末からの上昇率は51.0%に達した。

海外事業の取り組み加速や、電力小売り自由化に向けた業務提携を打ち出す中、株価の重しとなってきた原子力発電に関しては、九州電力 <9508> の川内原子力発電所1号機 <鹿児島県> が今年8月中旬にも再稼働される可能性が浮上。原発関連銘柄の動きも強まる。中でも、火力発電や原子力発電向けの高温・高圧用バルブを手掛ける岡野バルブ製造 <6492> などバルブ関連が注目される。このほか、中・長期では日本製綱所 <5631> もマークしたい。

東電は5月25日に、中東・カタール向けで大型天然ガス火力発電所の建設プロジェクトの共同受注を発表し、海外事業を加速中だ。さらに、電力小売り自由化に向けたソフトバンク <9984> との業務提携の検討開始も発表するなど、今後の業績拡大に向けた布石を着々と進めている。一方、原子力発電に関しては、九州電で再稼働される可能性が浮上。

1日に開催された総合資源エネルギー調査会(経済産業相の諮問機関)の専門委員会では、将来の電力需要をどの電源で組み合わせるかを示す「エネルギーミックス」の最終案が示され、原発事故前の水準からは低減するものの、原子力の比率は20〜22%と、2013年度の1%から大幅に増やす見通しが示されている。

原発再稼働に向けた動きが出る中、東電の株価上昇を受けて、原発関連銘柄の見直しも進んでいる。岡野バルの株価は5月12日には年初来安値の338円まで下落していたものの、その後は上昇基調に転じ、5月27日には年初来高値375円に乗せた。原発向け高温高圧バルブに強い東亜バルブエンジニアリング <6466> も5月14日に年初来高値の1649円まで上昇。原発関連の中でも、バルブ関連の値動きは特に目立つ。

バルブ部品で岡野バル

岡野バルの足元の業績を見ると、火力発電所の新プラント向けなどで売上を伸ばしたものの、国内原子力発電所向けなどでメンテナンス事業などは低調。ただ、厳しい事業環境の中で事業効率化やコスト削減が進んでおり、今11月期の連結営業利益は1億9000万円 <前期比18.8%増> を予想。

今後、原発再稼働でメンテナンス需要などが増加した場合、大きく業績に寄与してきそうだ。また、株価は足元で上昇しているものの、11年の震災前の高値835円からは大きく調整した水準にとどまっており、株価の見直し余地は大きそうだ。

一方、他の原発関連銘柄でも、発電所のプラント工事を手掛ける太平電業 <1968> の今3月期の連結営業利益予想は49億3000万円 (前期比6.9%増) と小幅増益見通し。一時失望されて株価は下落したものの、その後は力強く切り返す動きで、1日には年初来高値1140円に達している。

このほか、核燃料輸送装置を手掛ける木村化工機 <6378> 、原子力発電周辺機器を取り扱う西華産業 <8061> 、イーグル工業 <6486> や日本ギア工業 <6356> などの見直しにつながる可能性もあるだろう。

中・長期なら日製鋼

また、原発関連の中でも中・長期で注目されるのが、日製綱。原子力用圧力容器、天然ガス向けクラッド鋼管などで高い市場シェアを持ち、注目度が高まっている「水素社会」の実現に向けた取り組みが加速する中、燃料電池車(FCV)に水素を供給する水素ステーション用の高容量鋼製蓄圧器など独自の技術に磨きを掛けている。

今3月期の電力・原子力向けの売上高は前期比で減少する見通しではあるものの、今後の原子力発電の見直し次第によっては、原子力向けでの販売拡大の可能性も出てくる。株価は14年10月の安値353円を底に中期の上昇トレンドを形成している。(6月3日付株式新聞掲載記事)

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