GS欧州副会長だったドラギ総裁とECB

この話にはもう一つのオチがある。実はこのディールが行われていたときに欧州のGSで副会長を務めていたのが、誰であろつうかwCBの総裁の座にある、スーパーマリオことマリオ・ドラギ総裁だったのだ。一方でギリシャのユーロ圏への加盟を助け、現在はECBの総裁として、ギリシャ債務問題の舵取りに苦慮するという皮肉めいた経緯になっている。

ギリシャのユーロ加盟時に、GSさえこのギリシャの通貨スワップに手を貸さなければ、今のような複雑で大きな問題にはならなかった可能性もある。その場合には、単に小国のデフォルト問題にとどまっていたはずだ。その救済を巡って今矢面に立ってギリシャと交渉し判断をしている要人のひとりが当のマリオ・ドラギというなんとも不思議な状況が展開されているのは実に不思議な光景だ。もちろんごドラギ総裁本人も、まさか自分がECBの総裁として将来的にギリシャの債権問題にトップとして向き合うことになろうとは思ってもいなかったのであろう。

しかし、ギリシャという国を顧客にしていわゆる「飛ばし」に力を貸したGSの倫理的責任がまったく指摘されずに今日に至っている。その当時の責任者であきらかにディールに関与していたと思しき人物がECBの総裁というマッチポンプのような話はなんともやりきれない。もちろん本質的な問題はすべてギリシャに責任があることは間違いないが、果たしてドラギはこのままギリシャを見捨てて一件落着とするのか、多少なりとも自身の罪悪感から最後まで救済に手を差し伸べることになるのかが表のギリシャのデフォルトとともに、もうひとつの隠れた大きな注目点となりつつある。(ZUU online 編集部)

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