ギリシャと利上げが不確実性要因

米経済の好調を予想する一方で「ブラックスワン」的に悪影響を与えることが懸念されるのが、ギリシャ危機と利上げに対する市場の極端な反応だ。『バロンズ』誌は6月26日の電子版で、「ギリシャが債務不履行に陥った場合、資本規制が行われ、銀行が閉鎖され、ユーロ圏離脱さえ起こるかも知れない」と警鐘を鳴らし、金融危機が起こる可能性に言及した。

しかし、バークレイズ・キャピタルは投資家向けのメッセージで、「ギリシャ危機で一時的に株式が売られたとしても、欧州中央銀行(ECB)があらゆる手段を使ってユーロを支えるため、逆に買いのチャンスだ」との見解を示している。

最も注目される米利上げに対する市場の反応について、アイビー・アセット・ストラテジーのポートフォリオマネージャーであるマイク・アベリー氏は「人工的に支えられていた市場から支えが取り去られた時に、何が起こるかは誰も予測がつかない」とし、「利上げのタイミングが早過ぎ、新たな景気後退を引き起こす可能性もある」との見解を表明した。

さらに、2015年下半期のもう一つの不確実性として、アベリー氏は欧米で原油供給がタイトになっていることを挙げる。何らかの理由で原油供給が減少し、その出来事が米利上げと時期的に重なった場合、米経済に悪影響が考えられるとしている。

こうした懸念要因はあるものの、2015年下半期に関しては、多くのエコノミストは「1‐3月期の大きな落ち込みを、その後の力強い回復で克服した2014年の再来になるだろう」との楽観的な見方をしている。

(在米ジャーナリスト 岩田太郎)

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