事業経営再編 (写真=Thinkstock/Getty Images)


必要不可欠な事業ポートフォリオの変革

多くの事業を同時に経営すればどれかひとつが失敗しても他の事業があるため安心ではある。一方で、限りある経営資源が分散されてしまうため、「成長」という視点でみれば成長分野に経営資源を集中投下できないためもどかしい事業展開になりがちだ。

事業の経営においては、現在儲かっている事業かどうかという視点で見てしまいがちだが、大きく成功している企業の傾向としては、将来どの分野で稼いでいたいという視点を持っていることが多い。

事業ポートフォリオの変革を行う企業にも、基本的には、2通りある。業績が悪化してから事業ポートフォリオの変革を開始する場合と、業績が好調なうちに変革を進める場合の2つだ。「将来」に目線をあわせ、業績が好調なうちに変革を進めたいところである。

現状をじっくり分析し、将来を見据え、事業の「選択と集中」すべき分野を見定めていく視点が持続性ある企業には必要だが、米ゼネラル・エレクトリック(GE)やソニーのような大企業も現在、事業構造を変えるほどの事業ポートフォリオの大幅な変革を推進しているところだ。


コングロマリット化したGEが進める事業再編

GE社が大きな方向転換をすることを決めた。これまでずっと稼ぎ頭であった金融事業部門のメインであるGEキャピタルを売却し、今後は本業である製造業に回帰するよう舵を取ったことを意味していると言えそうだ。

GEは航空機エンジン、医療機器、発電・送電機器といった、もともと主要事業に位置付けられてきた製造分野、それにリース、銀行といった金融分野でも活躍しており、コングロマリットとして存在感を示してきた。どの分野でも、自社のシェアがナンバー1か、ナンバー2以外であれば、その市場から撤退するという経営方針が有名だ。

GEがこれまで全体の売上の3割近くを占める金融事業の売却を決定した。金融事業は2008年に起きたリーマンショックにより採算が悪化、150億ドルの増資や600億ドル近い債務への政府保証を受けていた。その後も、金融事業の業績は回復せず、米国内での金利上昇が見込まれる。さらに、業績悪化が予想されていた中での、金融事業売却という決断だ。これにより事業ポートフォリオはガラリと変わる。