photo credit: kevin dooley via photopin cc
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今回は、歴史的に株価と逆相関する傾向がある金(きん)について取り上げます。

まず、そもそも金は何故価値があるかについて説明します。その上で、歴史的にダウ平均と金価格が逆相関する傾向がある事を示し、金価格の変動はある種のトレンド転換の合図である事を見ます。次に、なぜ逆相関するかについて説明した上で、少しずつ両価格の比が不安定化している事も見ます。

金は何故価値がある金属か


金に価値があるのは、人々が金を「価値があるものと認識している」からです。では、なぜ価値があるものと認識されているのでしょうか。貨幣として使われてきた歴史があるからでしょうか。その色がジュエリーとして人気が高いからでしょうか。


そのいずれも高い価値の説明として間違ってはいないのですが、もっと包括的に金の特徴を捉えて説明すると、 「金属として優れた性質を持っており、かつ、その埋蔵量が相対的に少ない」 からです。


金属としての金は展延性を持ち、柔軟に変形させたり伸ばしたり出来ます。 その性質は、1gあれば3000mの糸にまで伸ばせるほどで、装飾品は勿論、微小な電子部品など様々なものに使われています。


また金はイオン化傾向が全金属の中で最も低く(要するに腐食しにくい)、保存性が極めて高い事も特徴です。 嘗ては貨幣の中心素材であったのも金属としての高い安定性が理由です。


その輝きが価値の源泉と思われている節がありますが、同じ輝きを他の金属で再現したところで(詐欺でもない限りは)高い価値が付きません。金属として有用であるからこそ価値が認められているのです。


この高い有用性に加え、 埋蔵量は他の有用な金属(例えば銅)と比べて圧倒的に少ない 事が価値を支えています。

ダウ平均と金価格の長期的な逆相関傾向


では、表題の金価格と株価の長期傾向を見ていきましょう。
図1は、ダウ平均株価を金価格で割ったDow - Gold Ratioの200年チャートを示しています。ダウ平均株価自体は1896年以前は無く、それ以前の株価は当時の代表的な企業から仮想的に計算したものが使われています。


図を見ると、バブルや恐慌の時期を除いて、緑の帯の範囲内にDow - Gold Ratioが収まっている事が分かります。 このチャートだけでは逆相関は分かりにくいですが、例えば、分子の株価が上がって分母の金価格が下がればレシオも上がり、逆の動きだとレシオは下がります。

金1

図1:ダウ・金レシオの推移

出典: 200 YEARS OF THE DOW/GOLD RATIO(SHARELYNX GOLD)

勿論、常に逆相関しているわけではないのですが、歴史的に、緑のラインから離れてくるとラインに戻ろうとする動きを示しており、結果として逆相関を示している事が多くなっています。


但し、 少しずつダウ・金レシオの値が大きくなってきている という事には注意せねばなりません。これは 、長期的に金価格よりもダウ平均株価の方が高くなってきているという事を意味します。