「5月に売り、相場から離れろ! そして、セント・レジャー・デー(9月の第2土曜日)まで戻ってくるな(Sell in May, and go away; don't come back until St Leger day.)」
これは、ウォール街の相場格言だ。欧米では6月から10月までが夏季休暇のため、マーケット参加者が減少し、ヘッジファンドの決算も5月に集中する。そのため生まれた格言だと言われているが、明確な根拠があるわけではない。当然のことながら、これは米国の格言であり、そのまま日本のマーケットに当てはまるわけではない。
だが、日本の株式市場は米国と関連性が高く、多くの投資家が米国株の動向に注意を払っていることから、この格言を気にかける日本の投資家も多い。
このほかにも相場にはさまざまな格言がある。最近では「アノマリー」という呼び方のほうが一般的かもしれない。科学的な根拠はなくても、あたる可能性の高い経験則を指す。
2015年の「Sell in May」はどうだった?
多くの投資家によってこのアノマリーが正しいかどうかの検証が行われ、このアノマリーはおおむね正しいとの判断がくだされている。
それでは、今年の相場はどうなるだろうか。NYダウの推移を見ると、5月19日に1万8351ドルの高値をつけた後、8月7日には1万7279ドルの安値となった。現在のチャートを見る限り、今年も「Sell in May」のアノマリーは当てはまりそうだ。
ところで、肝心の日経平均株価はどうかといえば、同じ期間で比較すると、4.2%の上昇となっている。NYダウとは全く異なった動きであり、日本株については必ずしもこのアノマリーは当てはまっていない。