低リスクの運用方法としては、定期預金がまず思い浮かぶ。たしかに、定期預金は普通預金よりも金利が高く、元本が保証されるため、低リスクで資産を増やしたいと考える人には適している。

しかし、低リスクで資産運用をする手段は他にも存在する。安易に定期預金を選択するのではなく、元本が保証されている他の金融商品についても検討してみよう。

国債と金利①国債とは

低リスクでの運用方法として、定期預金のほかに挙げられるのが国債投資だ。

国債 は、国が発行する債券だ。発行機関が国であるため、債務不履行(デフォルト)に陥る可能性は極めて低い。

もし債券がデフォルトしてしまうと、利息のみならず、元本すら返ってこないことがあるが、国債の場合はこの可能性が低いので、元本保証と同様の安心感がある。

また、国債は少額から投資できる点が魅力である。個人向け国債は、満期期間にかかわらず1万円から投資できる。そのため、少額ずつ複数の資産に分散投資をしたい場合にも役立つ。また、毎月発行されていることから、時間的にも分散して投資することが可能だ。

国債と金利②国債の金利の仕組み

個人向け国債 には①3年固定金利、②5年固定金利、③10年変動金利の3種類が存在する。一般的に満期までの期間が長い方が金利は高くなっている。

また、個人向け国債は、発行後1年以上経過すれば、直前2回分の利子を差し引いたうえで、中途換金することができる。利子の支払いは半年ごとに行われることから、発行後ちょうど1年で中途換金する場合もでも元本割れしない仕組みだ。

したがって、10年間保有し続ける意思がない場合でも、10年変動金利の個人向け国債を購入することが可能だ。

10年変動金利の個人向け国債を活用すれば、定期預金と同程度のリスクでありながら、より多くのリターンを得ることが期待できる。さらに、定期預金は固定金利が基本だが、10年物の個人向け国債は変動金利なので、金利上昇の際にはさらに多くのリターンを得ることが可能だ。

逆に、金利が下落した場合でも、個人向け国債は、最低金利の0.05%が保証されているので安心だ。実際、2015年9月発行の3年固定や5年固定の個人向け国債には、最低金利の0.05%が適用されている。

国債と金利③国債の金利と社債の金利

国債と同じ債券の選択肢の中に 社債 がある。社債とは、企業が直接投資家から資金を借り入れる際に発行する債券である。

社債の金利は、一般的に国債よりも高めに設定される。社債の発行機関である企業は、国に比べると信用力が劣ると考えられることから、リスクが高い分、リターン(金利)も高く設定されるのだ。

社債の利率は、発行企業や償還までの期間などによって異なり、一概には言えないが、人気の高いSBI債やマネックス債の利率は1.5%程度と、個人向け国債と比較してもはるかに高利率だ。

利率1.5%の社債を保有していれば、変動10年の個人向け国債(第65回債)と比べても、1年で5倍以上の金利がもらえる計算になる。

国債と金利④国債の金利と投資信託の利回り

比較的低リスクと言われる金融商品として、国債や社債のほかに、投資信託がある。

投資信託とは、多くの投資家から集めた資金を、一定のテーマにしたがってプロが投資判断をする商品だ。投資信託は、投資する資産(株式・債券・資源・不動産など)や投資対象の地域が異なるものが多数存在する。そのため、うまく利用すれば少額で分散投資を行うことができる。

投資信託の利回りは、5%が一つの目安とされており、個人向け国債の利回りよりもはるかに高い。ただし注意が必要なのは、投資信託は元本が保証されないという点だ。

そのため、投資した資金が大きく減少してしまう可能性がある。元本割れのリスクをとりたくないのであれば、投資信託よりも個人向け国債をおすすめしたい。

国債と金利⑤国債を買うには

国債を購入する際には、どの金融機関で購入しても手数料は一切発生しない。また、万が一、国債を購入した金融機関が倒産した場合でも、国債自体の価値がなくなることはなく、国によって保証されている。

したがって、国債を購入する金融機関を選択する際には、キャッシュバック等のキャンペーンを積極的に行っているところが良いだろう。

国債購入のキャッシュバックキャンペーンを頻繁に行っている金融機関の1つが、SBI証券だ。

SBI証券が2015年8月28日まで行っているキャンペーンでは、個人向け国債を50万円以上購入すると、1000円のキャッシュバックが受けられる。50万円ちょうどを購入した場合、キャッシュバックだけで税後0.2%相当の金利を受け取るのと同等のリターンが得られるのだ。

SBI証券は2014年に証券総合口座数が300万口座を突破しており、日本最大手のネット証券会社だ。個人向け国債を購入する際には利用してみても良いだろう。

国債と金利⑥口座開設の流れ

個人向け国債を購入する際には、金融機関に口座を開設して置く必要がある。ここでは、キャンペーン実施頻度の高い SBI証券 の口座開設の流れを理解しておこう。

SBI証券の口座開設は、オンラインで申し込むことができる。

オンラインで必要情報を登録すると、口座開設に必要な書類が郵送されてくる。基本的に申し込みから1~2日後に郵送されてくると考えておこう。書類を受け取ったら、本人確認書類と合わせて、必要事項を記入した書類を返送する。その後、口座開設手続き完了のEメールが来れば終了だ。

申し込みから口座開設完了まで、最短1週間程度で手続きを行うことが可能だ。

国債と金利⑦国債を買うなら社債も検討

個人向け国債 の購入を検討するなら、より利率の高い 社債 への投資も検討してみてはどうだろうか。

ここでも、高金利のSBI債がおすすめだ。SBI債の発行は不定期なので、販売開始時期には注意が必要だ。

SBI債は人気が高く、発売から数日で売り切れてしまうことも多いので、貴重なチャンスを逃さないよう、あらかじめSBI証券の口座を開設し、メール通知を受けられるよう設定するなど準備しておこう。

ただし、SBI債は非常に人気が高く、購入は抽選制になることもある。抽選に外れてしまった場合は、代わりに個人向け国債を購入しておくとよい。定期預金よりも高い金利を受け取りながら、再びSBI債の販売があるまで待つことができる。

そして、もしSBI債の販売が決まった場合に、余剰資金が増加していなければ、個人向け国債を売却してSBI債に乗り換えることも可能だ。抽選に外れたからといって何もせずに待つのではなく、少しでも多くの利息をもらえるように行動しておくことが望ましい。

まとめ

債券は、低リスクでの資産運用に適した投資商品だ。債券の中にも、個人向け国債や社債などいくつかの種類がある。

債券はリスクが低い分、投資信託ほど大きなリターンは期待できないが、SBI債のような高金利の社債や、個人向け国債購入キャンペーンを活用すれば、定期預金よりもはるかに高いリターンを得ることができる。

SBI債が購入でき、個人向け国債購入キャンペーンも頻繁に開催しているSBI証券の口座を開設し、債券投資の準備をしておくとよいだろう。


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