短期株式投資と中長期株式投資の見るべき指標(数値)の違い

短期で利益を上げたい場合と中長期でもっと大きな利益を上げたい場合では当然見るべき指標が違ってきます。最初に、短期・中長期投資、両方で必ずチェックしておかないといけない3つの重要指標を説明します。

PER (株価収益率)
これはよくご存知のように、株価を1株当たり利益で割った数値です。

PBR (株価純資産倍率)
これもよく知っていると思います。PBRが1倍以下の会社、つまり時価総額が純資産を下回る会社は「株価が解散価値を下回っているので割安である」という声を聞いたことがあると思います。

ROE(自己資本利益率)
ROEを投資に生かす上で知っておくべきことは「高ROE=高PBR)ということです。解散を前提とせず、ROEが6.7%以下の場合、PBRが1倍割れでも割安とはいえません。これは「PBR=ROE×PER」という方程式があるからです。

現在の世界の株式市場の平均PERは15倍前後に収斂(しゅうれん)しています。

ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析

ファンダメンタルズ分析は、相場を動かす原因を分析し、そこから導かれる結論により相場を予測しようとする方法です。
一方、テクニカル分析は相場変動そのものを分析し、その動きから今後の相場の動きを予測します。

ファンダメンタルズ分析は、相場変動の原因を知らなければならないですが、テクニカル分析は必ずしも相場を動かす原因を知る必要はないといわれています。テクニカル分析は「すべての相場変動は価格に反映される」としているためです。

テクニカル分析でよく耳にするのは、25日・75日移動平均線です。8月30日現在、日経平均株価25日移動平均 13.727円です。

短期投資とテクニカル分析

短期投資には、5日間移動平均を使います。当然、算出期間が短いほど、値動きに敏感です。

短期の移動平均線ほど売買のタイミングが早くなり、結果として「騙し」と呼ばれるノイズを拾いやすくなるのに、注意しなくてはいけません。

トレンドがハッキリしない持合圏やトレンドが転換する過程では、短期線が有効です。

テクニカル分析で見るべき指標

テクニカル分析は、実際に相場に参加している投資家のうち、どれだけ多くの人がテクニカル指標を見ているのか、使っているのかという事実が非常に重要です。

皆がそれに従って投資行動をとるような指標は絶対に重視しなければなりません。

結局のところ、今の相場が買い(上昇トレンド)なのか売り(下降トレンド)なのかを確認したうえで、どこに売買の節目(売買のポイント)がわかれば、実際の相場で使えるテクニカル指標であるといえます。