中古車売買アプリ
(写真=各社サイトより)

「中古車を買うなら、1円でも安く買いたい」と思うもの。

だが、中古車の売買には“アカロフのレモン”と言われる逆選択の問題が付きまとう。「レモン」とは中古車のことなのだが、特に質の悪いモノ、中古車を指すスラングとして使われる。売る側にしか正確な情報がなく、悪質な製品をつかまされるリスクがあることを指す。売り手と買い手の間に、情報の非対称性が存在するというわけだ。最近はさほど聞かれなくなったが、メーターを巻き戻したり、修復歴を少なめに伝えたりして売る、悪質なディーラーの存在を耳にしたことがある人もいるだろう。


フリマアプリであらゆるものの個人間売買が盛んに

自動車は人の命を預かるものだから、安全性の確保は最優先事項だ。買い手の目利き能力が不足していたばかりに、買った中古車が不良品で事故を起こし、誰かをひいてしまったというようなことがあってはならない。

だから日本では車検をはじめ名義変更や車両輸送など、クルマをめぐる手続きは大変煩雑だ。こうした手続きは個人の手には負えないほどで、中古車は専門業者を通じて購入するのが安心だし、当然と思われていた。

だが、2014年春に消費税率がアップしたころから、中古車の個人売買サービスが活況を呈してきている。5%から8%へと上がった消費税は、住宅や自動車など、価格が高いものに関して消費の足踏みを起こさせてしまった。そこで注目されたのが、個人売買である。個人売買ならば、消費税が不要なので、値上げが発生しないというわけだ。

また最近はクルマに限らずあらゆる商品の個人間売買が活況になっている。「メルカリ」や「フリル」、「ラインモール」など、簡単に出品、購入できるオークションアプリが人気を集めている。こうした流れの中で、最近は「クルマ」まで業者を通さず、個人間で売買されるようになったのだ。


どんなサービスが生まれている?

最近誕生したサービスとしては、「Ancar」(アンカー)がある。サービス名と同じ社名のアンカーが運営。車両はすべてアンカーの査定、点検、整備を受けたもので、事故車は扱わない。手続きや購入者への輸送もアンカーが代行する仕組みだから、個人間といっても安心して選べそうだ。

手数料が高そうに感じるが、出品価格が250万円未満の場合、4万円+車体価格の3%。250万円以上の場合は車体価格の5%となる。その他に、名義変更費用や車庫証明取得費用などが別途必要になるほか、輸送費が1万9,500円からという。

次に「mieruCAR」(ミエルカ)。ViewPointという会社が運営。出品者は車を無料で登録することが可能で、1出品者につき1台の出品制限を設ける。登録した情報は1カ月間ミエルカに掲載される。代金徴収や登録手続きなどすべてミエルカが代行して行い、個人情報が明らかになることはない。成約した際には、システム利用料として出品者と購入者それぞれに3万円が発生する。

そして「カーコン・マーケット」。中古車販売のカーコンビニ倶楽部などが設立したカーコン・マーケットという会社が運営。カーコンビニ倶楽部の研修を修了した査定士が車両状態をチェックしており、修復歴のあるクルマは扱わない。全車の品質査定、納車前の法定12カ月点検、名義変更、キズへこみ修理保証がついている。手数料は、出品者のみが成約価格の6%+10万円を支払う仕組みを採用している。その理由として、手数料を出品者に一本化することで価格設定を透明化することが挙げられている。

最後が、「Carnny」(カーニー)。ここもサービス名と同じ名前の会社が運営している。整備点検や書類手続き、査定などの専門業務をクラウドソーシングすることにより、中間コスト削減と安心できるマーケットプレイスを提供している。ゆくゆくはアフリカや東南アジアなどの新興国をはじめとした世界にも目を向けているところは頼もしい。

こうした新しいサービスも、安全に関してはしっかりと担保している。中間業者を入れないことでマージンをカットして、安価での提供を可能にしている。


取り扱い台数が少ないことが課題

こういった中古車の個人売買が浸透するまでには課題もある。各アプリやサイトに掲載されている台数が少なく、自分の欲しい車種で比較がしにくい。一方で、大手中古車販売店は取り扱い台数が多いから、自分の希望に近いものが見つかる可能性が高い。

新しいアプリ、サービスが安価で便利とはいえ、従来の中古車販売業者の存在意義も、もちろんある。ただ選択肢が増えたのはいいことだ。自分で探して費用を抑えたいなら新しいアプリやサービスを使えばいいし、候補となる取り扱い台数が多いほうがいいなら、業者がいい。中古車の場合は、買うだけでなく「売る」機会もある。新たに中古車を買う時、そして自分のクルマを売る時、自分にあったサービスを見つけたい。(ZUU online 編集部)

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