(写真=PIXTA)
「ETF」と「インデックスファンド」、どちらも同じような性質の投資信託ですが、 具体的にどのような点が違うのでしょうか。
日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)をはじめとするインデックス(指数)とは、市場全体の平均的な値動きを示すものです。
投資のプロであるファンドマネージャー(投資信託の運用責任者)であっても、つねにインデックスを凌ぐパフォーマンス(値上がり益)を達成し続けることはなかなか困難であるのがシビアな現実だと言えます。
こうしたことから、株価指数に連動する仕組みの金融商品に投資し、平均的なパフォーマンスを着実に得るのがインデックス投資という運用手法です。
インデックスに勝る成績をめざすアクティブ運用に対し、こちらはパッシブ運用とも呼ばれます。
では、インデックス投資(パッシブ運用)において選択肢となってくるのは、具体的にどういった金融商品なのでしょうか?
それがインデックスファンドとETF(指数連動型上場投資信託)なのですが、実のところ両者は「似て非なるもの」です。
どちらも特定のインデックスに連動するように設計された投資信託の一種であるという点は共通していますが、異なっている点も少なからず存在しています。
両者の違いをきちんと認識したうえで、上手に使い分けるのが賢明でしょう。
まず、インデックスファンドは他の投資信託と同様に金融機関の窓口やインターネットサイトなどを通じて購入しますが、ETFはその別称の通り、株式のように証券取引所に上場しています。
このため、インデックスファンドの基準価額(売買時に適用される価格)が日々の更新であるのに対し、ETFの時価は市場での売買動向に応じて時々刻々と変化しています。
市場の動きをリアルに捉えた売買を行いたい場合には、ETFのほうがより魅力的な選択肢となってくるでしょう。
また、インデックスファンドは購入時に取扱金融機関に対して販売手数料を支払いますが、近年はそれが無料のノーロード型と呼ばれるタイプが増えています(同じ商品であっても取扱金融機関によって手数料設定は異なる)。
一方ETFは購入時と売却時に売買委託手数料が発生し、それは株式に適用されるものと同水準です。手数料の安いネット証券を選択すれば、その負担はかなり軽くなります。
しかも、投資信託には信託報酬と呼ばれる保有中のコスト(運用経費)もかかってきますが、ETFのほうがインデックスファンドよりもかなり低めの設定です。中長期的なスパンで投資するつもりなら、その差はけっして軽視できないでしょう。
したがって、機動性や手数料面では明らかにETFのほうに軍配が上がることになりますが、インデックスファンドならではとも言える魅力も存在します。
その1つは、かなり少額から購入でき、コツコツと積立投資を続けていくには最適の商品設計となっていることです。
インデックスファンドは1万円程度から購入できるケースがほとんどで、証券会社によっては数千円から投資できるところもあります。
そのうえ、「月々1万円ずつ」などといった具合に、口数ではなく金額を指定して買い付けることも可能です。
こうして金額指定で積立投資を行うと、「ドルコスト平均法」と呼ばれる投資効果を期待できます。
毎回の投入額は一定ですから、おのずと時価が高い局面では少なめの口数を買い付けるとともに、時価が安い局面では多めの口数を手に入れることになります。その結果、毎回の購入口数を一定にするケースよりも平均的な購入単価が割安になるのです。
この「ドルコスト平均法」に注目してインデックスファンドで積立投資を続けつつ、相場が大きく動きそうな局面でETFにまとまった資金を投じてスポット的な取引を行うなど、それぞれの長所を生かして使い分ければ、より収益の向上が図れるのではないでしょうか?(提供: ファイナンシャルスタンダード株式会社 )
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