imasia_4059911_S (写真=PIXTA)

2日の日経平均株価は朝方こそ308円安の1万7857円まで突っ込んだが、売り一巡後は急速に値を戻す展開となり、3日続落で始まった上海総合指数を尻目におおむねプラスゾーンで落ち着いた動き。最後は70円安で終えたが、8月26日の安値1万7714円に対する二番底形成への期待が高まっている。

折しも、1日に発表された8月28日申し込み現在の信用残では一昨年末高値1万6320円からの下落でいったん底を打った1万3995円(昨年2月5日)を付けた週と瓜(うり)二つの現象を確認。要注目だ。

カラ売り比率は過去最高

東京証券取引所が1日に発表した8月28日申し込み現在の信用残(2市場)は、「買い残」が前週比2821億円減の3兆3049億円で3週ぶりに減少。

一方の「売り残」は同872億円減の5551億円で3週連続減少。株数ベースの信用倍率は同0.04ポイント上昇の6.31倍となり、取組は3週連続悪化した。

この週(24〜28日)は、週末こそ日経平均は前週末比299円安で終えたが、中国市場に端を発した世界同時株安の中、26日には一時、同1721円安の1万7714円まで下落した週。

追い証(追加証拠金)の発生による処分売りに買い残は2821億円減少した。そしてこの金額が、1万3995円を付けた週の昨年2月7日の3086億円減以来の水準。

当時は異例の寒波による米国経済への懸念の高まりと、ウクライナ問題という外部の二つの悪要因が重なったが、今回も利上げのタイミングをめぐる米国経済への懸念と、株価の暴落による中国経済への懸念という二つの要因が重なった。また、似通っているのは「買い残」の減少金額だけではなく、その内容だ。

カラ売り比率の推移

例えば、今年日経平均がいったん1万9115円(7月9日)の安値を付けた週をみると、「買い残」減少ランキング100位以内の銘柄で、50万株を超えて減少したのは31銘柄のみ。

これに対し、昨年2月7日は100位でも71万株減少しており、今回も100位が53万株減と高水準。つまり、安易な押し目買いが入らず、一気に処分売りが進んだ印象だ。

こうなると注目されるのが、東証が日々公表しているカラ売り比率(信用取引を含む)。9月1日は41.0%と統計を取り始めて以来の最高を記録しており、その買い戻しが反騰相場のきっかけとなる可能性がある。

「買い残」減少の好取組銘柄

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表は「買い残」減少ランキング100位以内の好取組銘柄。全体的に「売り残」の減少も進んだため、通常時に比べ銘柄数は少ないが、8月に新たにJPX日経インデックス400に加わったアルプス電気(6770)に「売り残」の増加が伴っている点は興味深い。飛島建設(1805)は株価が25日移動平均線を上回っている。(9月3日付株式新聞掲載記事)


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