Appleフラッグ
(写真=The Motley Fool)

Appleのキャッシュフロー状況を分析し、配当金増額の可能性を探ってみよう、バラ色の未来が見えてくる。

Apple <NASDAQ:AAPL> の配当率1.8%という数字に、投資家たちはさほどときめかないかもしれない。だが知識を持つ投資家なら、配当率だけが投資先企業の全貌を示すものではないことを知っている。実際、配当率と同じくらい重要なのが、その企業が投資に値するクオリティを備えているか、将来配当金の増額が見込めるかどうかだ。Apple株はそのクオリティを持っている。

これまでの最高株価から17%ほどダウンし、同社の持つ基本経済力にそぐわぬ安値で取引されているApple株。その本質的な価値を考えれば、115ドルという株価は非常に魅力的だ。しかし、同社の配当金の将来性はどうだろう?投資家に安定した収入をもたらすほどの、成長の可能性を秘めているだろうか?

Apple配当金の弱点は?

Appleの配当金について分析してみても、配当率を除けば投資家から本気で不満の声が出るような弱点は見当たらない。これまで配当に関しては強みを見せていないことは確かだが。ハイテク界に君臨しながらも、同社は2012年まで配当支払いを中断していた。手持ちのキャッシュと証券の合計額が1000億ドルに達してようやく、配当を出す決断をしたのだ。

だがAppleの潤沢なキャッシュフローを考えれば、期待外れの配当利回りの低さや、これまで配当を出してこなかったことも、投資家たちは簡単に許してしまうだろう。Appleならきっと大儲けさせてくれるはずだ。同社のキャッシュ保有状況とキャッシュフローについて詳しく見てみよう。

  • Appleのバランスシートに見るキャッシュと債権の総額は2028億ドル。
  • 営業利益から設備投資分を差し引いたフリー・キャッシュフローは、直近12か月間の累計で694億ドル。
  • フリー・キャッシュフロー694億ドルのうち、114億ドルが配当金に回された。
  • 配当総額を当期利益で割って算出する配当性向は22%とコンサバな数値で、将来さらなる増額の余地が十分にあることを示している。
  • Appleのフリー・キャッシュフローは9年連続で増加を続けている。

見事なキャッシュフロー・データだ。もしAppleの首脳陣がキャッシュフローを毎年増額させようという意欲を見せてくれなければ、収入を着実に増やしていきたい投資家たちにとってこれらのデータは意味をなさないが、幸いなことに将来にわたる順調な増額はほぼ確実だ。

あと何年でAppleの配当金は倍になるか?

Appleの配当金増額の可能性を判断するには2つの方法がある。

1つはこれまでの実績を見ること。2012年に配当支払いを再開して以来、同社は毎年平均11.2%ずつその額を増やしている。この傾向をたどっていけば、将来の配当金がどのように増額していくかが見えてくる。

2つめは経営陣が将来の増額プランを明確に示しているかを見ること。Appleの幹部らは、まさにこれを実行しており、2014年のプレスリリースで「毎年配当金増額を計画している」と発表した。

売上高、保有現金高、キャッシュフローのすべてにおいて急激な伸びを続け、向かうところ敵なしのAppleにとって、今のペースで配当を増額し続けることはたやすいだろう。

毎年このペースで増額し続ければ、ちょうど6年で現在の倍額の配当を出せる計算だ。言い換えれば、現在のコスト基準で計算して、6年後に3.5%の配当率になる。

配当の伸びが大いに期待できることと、現在のApple株に極端な安値がついていることを考え合わせると、配当利益を狙う投資家にとって同社の株はたいへん魅力的であると言えそうだ。

ダニエル・スパークス(提供: The Motley Fool