imasia_15137097_S (写真=PIXTA)

昭和41年から続いた「住宅建設計画法」に基づいた「スクラップ&ビルド」型の住宅政策から、優良な住宅を造り、正しく維持管理し長持ちさせることを目指す「住生活基本法」が2006年に施行されてから10年が経過した。

この法律に基づいた「住生活基本計画」は5年毎に見直しを行っているが、来年2016年度からの新たな5か年計画の策定に向けてまさに今年見直し作業を行っている。こうした法律に基づいた様々な施策によって、今中古住宅市場はかつてない活況を呈している。

こうした中古住宅市場には、これまで新築供給を行ってきた不動産会社等のプレーヤーが、優良な分譲用地の減少や、新規参入者との競争激化により供給するための用地取得が困難となってきたことで、新たなビジネスチャンスとしてこれら中古住宅市場へ参入してきている。結果として、不動産会社による中古住宅の買い取りそして再販売物件も多数出回ってきた。

しかし、新築住宅の供給においては建物が現行法で施工されていることや「住宅の品質確保の促進等に関する法律」(品確法)による10年保証の義務化、「住宅瑕疵担保履行法」により引き渡し後の瑕疵の補修が保険又は供託金によって確実に行われるようになったことで、消費者にとっても安心して購入しやすい環境が整っている。

一方、中古住宅市場では、それら安心な取り引きの実現にはまだ道半ばだと言える。今回は、そうした中古住宅市場の活性化において見落とされている、建物価値の判断やその価値を維持するために必要なことについて解説していきたい。


消費者が考える中古住宅の不安

「中古住宅を購入できない理由」という調査によれば、もともと新築志向を持っている方の心理的なものを除けば、「問題が多そう」「後から欠陥が見つかるとこ困る」「性能がよく分からない」という「性能」に関することや「情報不足」という問題が見えてきます。

これらを、例えば中古車市場と比較してみますと、もともと自動車業界ではメーカーがどこであるか?が明確で、車検制度もあるため、先ほどの「性能」や「情報不足」という問題に対するリスクは少ないと言えます。

しかし、そうした中古車市場においても新たな動きが出て来ています。国土交通省では、中古車の事故や修理の履歴、過去の所有者人数などをデータベース化し、有償で提供するサービスの運用を行うというものです。

検討段階ではあるものの、このデータベースでは警察や保険会社、整備会社などが保有する情報に車検や国の登録情報を統合するとしています。購入希望者に対して更に詳しい中古車情報を提供することで、中古車市場の活性化を促したいということです。2020年をめどにサービスの実現を目指しているようです。

中古車市場では、一般社団法人「自動車公正取引協議会」が走行距離や整備状況、修理歴などを提示するようルール化されていますが、昨年国土交通省が民間企業に委託し中古車保有者や購入を検討したことがある2480人に行ったアンケート結果によると「購入の際に知りたい情報」という質問に対して「事故情報」が最多の76%。使用用途や走行距離メーター巻き戻しの有無など「車両情報」が66%、修理履歴などがわかる「整備情報」が56%、所有者人数や売却した理由など「オーナー情報」は34%(いずれも複数回答)となったとのこと。これらのアンケート結果を住宅購入者に当てはめると、同じような課題を抱えていることがわかります。

中古住宅を購入できない理由