目次

  1. 経営陣の自信を見抜け
  2. 経営陣の株式売買の動きに注目
  3. インサイダーが好んで買う株とは?
  4. 企業経営者が自社株を自腹で買うほど自社の経営結果に自信をもつ行為はない

経営陣の自信を見抜け

【第5回】まで、ピーターリンチ氏の伝説的投資哲学を様々な角度から切り取ってきた本特集も最後の記事となった。

【第6回】でお伝えするのはインサイダーが好んで買う株を狙うという視点である。インサイダー株といっても、もちろん合法的なものである。経営陣が自社株を買うということは、経営状況に自信があり、株価上昇に確信を抱いている根拠となる。時代を超えるリンチ氏の投資法、13個目のポイントを読み解く。

経営陣の株式売買の動きに注目

株式への長期投資で驚くべき収益を獲得した実績を持つ米国のファンドマネージャーだったピーター・リンチは、13項目に及ぶ自らの投資銘柄視点を自著で公開しているが、その12番目に挙げられているのが「インサイダーが好んで買う株」というものだ。

もともと米国では早い時期からストックオプションを賞与や給与の一部として役員、幹部などに支給するケースが定石化してきていた。このため、ストックオプションを支給されていた幹部がどのようなタイミングでどれだけのストックオプションを行使するのかは、昔から注目されるポイントとなってきた。

したがって、この視点で経営層の株式売却の動きを見ていくことは、企業収益動向を占うという意味では大きな注目点となってきていることは間違いない。

しかし、リンチはさらにインサイダーが好んで買う株にも目をつけてきたのだ。インサイダーが自社株を買えるものなのかと驚く方もいるかと思われるが、一定の条件を満たせば購入は可能だ。ただ、売却にあたっては様々な条件がつくことは間違いない。

インサイダーが好んで買う株とは?