個人投資家が株式投資で資産を形成するのに「難しい知識やテクニックはいらない」ことが分かります。
(写真=Thinkstock/Getty Images)

伝説の投資家ウォーレン・バフェット氏と並び、株式の長期投資の世界で神様と言われるピーター・リンチ氏。運用したファンドの資産を13年間で777倍に増やし、全米NO.1ファンドマネジャーと呼ばれた彼は、どのようにして資産を増やしていったのだろうか。

自著『ピーター・リンチの株で勝つ』の中で13の投資銘柄選択視点を、個人投資家にもわかりやすいように日常生活に即した形で明らかにしている。その、11番目の視点にあたるのが「テクノロジーを使う側の企業」だ。

同氏が株式の長期投資で爆発的な利益を収めた中心的期間は1980年代で、ちょうどコンピューターが本格的に企業の生産プロセスや業務プロセスに深く入り込んでいく時期にあたっていた。

当時の株式市場では、テクノロジーを提供する側の企業がフォーカスされていたが、同氏はひとり先行して、テクノロジーを使って生産性を飛躍的に向上させた企業に注目していったのだ。こうした視点はテクノロジーが広く普及した今の時代に聞けば、当たり前と感じる投資家がほとんどかもしれない。しかし、30年以上前にテクノロジーの普及によるユーザー利益に目を向け、投資銘柄の選定を行った点に先見の明があると言えるだろう。


テクノロジー業界は栄枯盛衰が激しい

最先端のテクノロジーを提供する業界には激しい競争が待ち構えており、莫大な研究開発費が必要となる。たとえば、IBMはこの30年あまり一貫してITテクノロジーの先端を走ってきた企業として有名だが、すでにハードウエアの製造に妙味を感じなくなっており、自社で製造していたPC部門は事業ごと他社に売却している。そして今は、ハードの製造主体から距離を置いており、利用者目線でのクラウドビジネスへ大きく舵を切っている。

過去に大きな成功を収めた企業でも、常に新たな技術開発を余儀なくされているため、買収され子会社となったり消えていった企業は数多い。


テクノロジーの利用は企業経営の重要な戦略

一方のテクノロジーを利用する側に視点を向けると、企業の事業戦略の立案や意思決定を早目ていく上では、最先端テクノロジーの利用が欠かせないものになっている。新しいテクノロジーを積極的に採用し、短期間で事業へ活かすことのできる企業は投資対象として有望な銘柄といえるだろう。このような視点で国内の上場企業を再度チェックしてみると、新しい発見が得られるのではないだろうか。

米国では、クラウドサービスを利用したビジネスプロセスの簡略化とスピードアップをはかるスタートアップビジネスが非常に多い。国内においてもますます重要な選択視点として注目されることになりそうだ。(ZUUonline編集部)

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