伝説の投資家の投資哲学連載、後編
伝説の投資家ピーターリンチ氏の投資哲学に迫る本連載。前編では7回に渡って、投資先選定に際する考え方を取り上げてきた。リンチ氏が徹底しているのはリサーチ。いかに割安評価されている優良企業を見つけ出すか、という視点で投資対象を捉えている。後編でもリンチ氏の慧眼を伝えるが、【第1回】では自社株買い銘柄が狙い目となる理由を、その仕組みと共に解説する。
ピーターリンチ氏の推奨する自社株買い銘柄
ピーター・リンチは、1977年から1990年まで、マゼラン・ファンドの運用にあたり、この13年間に全米でもトップクラスの運用成績をあげ、タイム誌から「全米でNo.1のファンド・マネジャー」と讃えられた人物だ。
その偉業は今も高く評価されており、とくに長期投資の視点でリンチの銘柄選びは驚くべき精度をもっていると、今も注目されている。そのリンチが開示した13の銘柄選択視点の最後にリストされているのが「自社株買い銘柄」の存在だ。