郵政,上場,株,ipo,個人投資家,説明会
(写真=PIXTA)

2015年11月4日の郵政3社の上場を前に、メディアや金融機関でも異例の盛り上がりを見せている。

郵政3社のIPO(新規公開株)の個人投資家向け説明会を開く証券会社も数多くあり、投資家からの人気と関心の高さを示す形となった。郵政IPOの個人投資家向け説明会の概要と、なぜそこまで郵政上場が注目されるのかを探っていこう。


郵政上場の概要

郵政3社(日本郵政・ゆうちょ銀行・かんぽ生命)IPOの公募価格などの仮条件は、10月7日に公開される。

10月8日~16日にゆうちょ銀行とかんぽ生命の公募受付(ブックビルディング)が行われ、10月20日~23日に当選発表と購入手続きを行う。また、日本郵政は10月8日~23日の間に公募受付が行われ、10月27日~30日に当選発表と購入手続きを行う。

郵政各社 仮条件決定日 ブックビルディング期間 公募価格決定日 購入申込期間 受渡/上場日
日本郵政 10/7 10/8~10/23 10/26 10/27~30 11/4
ゆうちょ銀行 10/7 10/8~10/16 10/19 10/20~23 11/4
かんぽ生命 10/7 10/8~10/16 10/19 10/20~23 11/4

時価総額は1987年のNTT上場時に次ぐ13兆円規模とも言われており、スケールの大きさにおいても話題性においても2015年の株式市場最大規模になることは疑いようがない。


個人投資家向け説明会

通常、新規に株式を上場する場合、証券会社や上場する企業のホームページなどで情報が公開されるだけだ。だが郵政IPOは、個人投資家向けにさまざまな説明会が証券会社主催で実施されており、まさに異例中の異例の扱いなのだ。

【グローバルコーディネーターが主催する説明会】
都内や大都市のホテルなどで、証券会社が主催する説明会が多数開催されている。野村証券や三菱UFJモルガン・スタンレー証券などの、郵政IPOのほぼ半数を取り扱う予定のグローバルコーディネーターが主催する説明会もあり、それぞれの証券会社の意気込みも垣間見える。

【投資家の関心の高さ】
どの説明会もほぼ満員といった状態で、郵政3社のIPOへの投資家の関心の高さも示している。 これらの説明会では、日本郵政グループの事業内容や日本郵政の西室泰三社長のビデオメッセージなどを紹介し、IPOで保有することの魅力を余すところなく伝えているのだ。


個人投資家向け説明会参加者の声

では、実際に説明会に参加した方は、どのような感想を持ったのだろうか。主だった意見を挙げてみよう。

【リスクが少ない投資】
政府が放出する株式として、リスクの低さを魅力に感じている人が多いようだ。

「一生に一度の投資になるだろう。国が後ろについているので安心だ。リスクはなにも心配していない」と語る元自営業の男性や、「規模が大きく、政府のバックアップがあるので大丈夫、潰れないと思う」と語る会社員の声がその代表的な意見と言えるだろう。

【抜群の知名度による安心感】
「地方では郵政の知名度や存在感は大きく、今のところ都市部より地方で関心が高い」とする証券会社幹部の声や、「配当利回りの高さに関心がある」という70代女性の声などは、郵政ならではの安心感と配当への期待をうかがわせる。

【市場動向を気にする声も】
2015年8月後半から日経平均株価が徐々に下落している。「株価が大きく下落する前は上場が楽しみだったが、今は市場動向が心配だ」という声もちらほら聞かれるように、郵政IPO自体には不安が無くとも市場動向にどの程度左右されるのかを危ぶむ声もある。


投資家の関心が高まる郵政上場

2015年9月18日、引受証券会社により名古屋会場で主催された説明会では、参加を希望する投資家も多く、300席が満席となり席を増設することになった。郵政IPOに対する関心の高さと期待の大きさの表れと言ってよいだろう。

過去にも社会現象になったNTTやNTTドコモ、その後の株価の高騰が話題にもなったJR東日本やJR東海など、政府系企業の上場は常に多くの投資家の関心の的となってきた。

今回は全国津々浦々に窓口がある「日本郵政」「ゆうちょ銀行」「かんぽ生命」の同時上場ということで、より多くの人々が身近に感じ、関心を示す機会となっているようだ。

上場してすぐに売却する短期的投資も良いが、年利3.0~3.5%程度の高配当も見込めるので長期的投資にも適した株式とも言えそうである。いずれにしてもまずは日本郵政グループについての知識を深め、各自が自分の嗅覚で投資に値する株かどうかを判断することが大切だ。


【日本郵政のさらに詳しい記事はこちら】
郵政3社のIPO株購入ならどの株?時価総額と売出価格、将来性を徹底比較