(写真=PIXTA)
不動産投資を始める前は利回りや投資額などに目が行くが、いざ不動産投資を行うとこれらの不動産用語が良く分からず、その都度調べて対応するという手間が発生する。
敷金、礼金、保証金、権利金等、不動産の賃貸借には似たような言葉がいくつもある。さらに、敷引や敷金の償却と言った言葉まであり、しかも地方によってその呼び方も異なっている。そこで今回は、ワンルームマンションを購入した時に、最初に出くわす敷金の問題について、基本的な内容を紹介していこう。
敷金とは
敷金とは、難しい言葉では「賃借人の債務不履行を担保するもの」と言われている。賃借人とは入居者のことであり、債務不履行とは具体的には賃料不払いなどのことである。つまり、仮に入居者が賃料を支払わなかった場合、オーナーとしては敷金から賃料を充当できる。一方で、真面目に賃料を払っている入居者にとってはその敷金は、本来自分のところに返ってくるものである。つまり万が一の時の担保のためにオーナーに預けているというお金が敷金ということだ。
引き継がれる敷金返還債務
通常、ワンルームを購入するときは、既に入居者が入っている状態の物件を購入することが多い。投資用物件の購入ということは、入居者にとってみるとオーナーチェンジにあたる。オーナーチェンジは賃借人の同意を得る必要はないため、所有者は投資物件を自由に売買できる。入居者からすると、知らない間に所有者が変わってしまうことになる。
真面目に賃料を支払い続けている入居者は、オーナーが代わっても敷金返還請求権は持ち続けている。しかもその敷金は前の所有者に預けたままだ。そのため、投資物件を購入した新所有者には敷金返還債務が引き継がれることになる。