ブームで店増加、衛生面の危険性を指摘する声
最近ではデニーズや吉野家などの外食チェーンや、熟成肉を取り扱っていなかった店が熟成肉を取り扱う流れが出てきている。このブームの中で、衛生面の危険性を指摘する声も上がっている。
熟成肉は、表面についたカビを取り除いてから料理として提供されるが、万が一このカビの処理が適切にされてない場合、カビも一緒に食べてしまうことになる。カビは感染症、アレルギー、夏型過敏症肺臓炎などを引き起こす原因ともなる。
大手チェーンはしっかりとした体制をとるだろうが、果たしてすべての店がカビの処理・調理できる環境・料理人をコストをかけて整えるのだろうか。
熟成肉には明確な定義や規制がなく、熟成の仕方や熟成にかける時間も店によって異なる。品質管理や安全管理も店それぞれの基準。消費者はもちろん、提供者、特産関係者の熟成肉に対する知識も多くない。
行政による規制でユッケの二の舞い?
農水省は熟成肉の製造方法など一定のルールを設ける検討をしている。早ければ2016年度中にルールが決まるようだ。消費者の安全を損なうような事例が起きれば厚労省が規制しないとも限らない。つまり熟成肉が、行政による過剰な規制の犠牲となり、これまで楽しめた美味しいお肉を味わえなくなる可能性もあるのだ。
熟成肉に対する知識が乏しいままブームに乗り、熟成肉を提供している店で食中毒者が出たら、すべての熟成肉店に影響を与えることになる。一方で衛生面でも安全で良質な熟成肉を提供している店も多く存在している。第二のユッケにならないためにも、提供者はもちろん、消費者もそれなりの知識をつけておきたい。 (ZUU online 編集部)