「世界の都市総合ランキング」が発表され、東京が4位であることが分かった。首位はロンドンで2012年以降首位を堅持。アジアでは二極化の傾向が強まっており、4位の東京、5位のシンガポール、6位のソウル、7位の香港と上位に入る都市がある一方、著しい経済成長を見せていた中国からは上海は17位、北京も18位にとどまった。
調査は森記念財団都市戦略研究所が2008年以降、毎年行っている。 「地球規模で展開される都市間競争下において、より魅力的でクリエイティブな人々や企業を世界中から惹きつける、いわば都市の“磁力”こそが『 都市の総合力』 で 」という観点から、評価、順位付け。今回対象となったのは、World Economic Forumなどによる有力な主要都市ランキングにランクインしている都市など30カ所。
コミッティは、竹中平蔵元総務相を委員長に、 明治大学専門職大学院の 市川宏雄院長、コロンビア大学のサスキア・サッセン教授ら6人の委員で構成。市川氏を中心としたワーキンググループがまとめ、第三者評価などを受けて策定した。
特定分野に偏らず、あらゆる分野の視点からランキングが制作され、大きく分けて6分野「経済」、「研究・開発」、「文化・交流」、「居住」、「環境」、「交通・アクセス」から構成されており、各分野ごとのランキングも分かるかっこうだ。
総合ランキング 1~6位は4年変わらず
ロンドン1位、東京4位 ソウル6位など
1位 ロンドン
2位 ニューヨーク
3位 パリ
4位 東京
5位 シンガポール
6位 ソウル
7位 香港
8位 ベルリン
9位 アムステルダム
10位 ウィーン
11位 フランクフルト
12位 シドニー
13位 チューリヒ
14位 ロサンゼルス
15位 ストックホルム
16位 トロント
17位 上海
18位 北京
19位 コペンハーゲン
20位 バンクーバー
21位以下のアジア都市……24位 大阪/32位 台北/33位 バンコク/34位 クアラルンプール/35位 福岡/39位 ムンバイ
4位の東京、意外にも「経済」で1位
東京は2008年の最初のランキング発表開始以後、4位を維持し続けている。「経済」分野では、総合順位1位のロンドン、2位のニューヨーク、5位のシンガポールなど世界の名だたる経済都市をを抑え、意外にもトップの評価となった。「経済」分野の指標は、GDP、1人当たりGDP、GDP成長率、賃金水準、1デスク当たりオフィス面積、法人税率、政治・経済・商機のリスクなど。
「文化・交流」分野では、 円安による海外からの訪問者数(9位)、留学生数(3位)となったため、昨年から順位を一つ上げ5位となった。留学生増加は、主に中国や東南アジアからの学生が増えていることが原因となっている。2020年東京オリンピックが控えていることから、来年以降も、「文化・交流」のさらなる順位上昇が期待できるだろう。
一方、総合順位が4位にとどまった要因として、「環境」分野が13位、「交通・アクセス」分野が11位、「居住」分野が15位となったことなどが考えられる。再生可能エネルギーの比率(32位)やCO2排出量(30位)、リサイクル率(27位)などが、「環境」分野での評価の足を引っ張った。
国際線直行便就航都市数(25位)や国際線旅客数(12位)など海外と日本を結ぶインフラ施設が不足していることが、「交通・アクセス」の順位を下げる原因となっている。検討段階だが、羽田空港と成田空港は、新滑走路増設の可能性があり、実現すれば、「交通・アクセス」の順位が上がり、総合順位の押し上げにつながるかもしれない。 (ZUU online 編集部)