House made of money in hand
(写真=PIXTA)

アベノミクスによる景気回復期待、金融緩和がもたらした低金利、不動産市況の回復、税制改正による実質的な相続増税……「不動産投資ブーム」はこうした要因を背景に訪れた。恩恵を受けたハウスメーカーやマンション販売業者は軒並み好決算を発表している。

ブームに乗って不動産投資を考え始めた人も多いかもしれないが、忘れてはいけないのが資金である。多くの人は不動産投資ローンを利用することになるのだが、それについ情報は意外と少ない。住宅ローンとの違いや審査基準など、これから不動産投資を考える人向けに解説していこう。

セールスマンに任せるときの注意点

不動産投資を行うにあたりどこで資金調達を行うべきか。もっとも簡単に不動産投資を始める方法は、ワンルームマンションの販売業者のセールスマンに全てを任せてしまうことだ。セールスマンから言われるままに書類を整えれば金融機関の選定から面倒な手続きまですべて引き受けてくれるだろう。

この場合、多くのケースでは販売業者が提携しているノンバンクの不動産投資ローンを利用することになる。確かにお手軽ではあるが問題点もある。コストだ。ローン取扱手数料や、保証料、そしてローン自体の金利も決して安くはないだろう。

不動産投資においてコストは投資利回りを大きく左右する。賢い投資家なら当然、ローンに関わるコストを少しでも安くしたいと考える。取引のある金融機関に相談し、自分自身で金利の安い金融機関を調べるだろう。そしてできるだけ安い手数料と金利で資金調達したいと考える。投資家なら必ずと言って良いほど、「住宅ローンと同じ条件で借りられると良いのに」と思うはずだ。

不動産投資ローンと住宅ローンは似ているようだが明確な違いがある。双方とも不動産を対象としながらも、住宅ローンは圧倒的に有利な条件で資金調達が可能なのだ。住宅ローンは不動産投資ローンよりも金利が安いのはもちろんのこと、団体信用生命保険の保険料も金融機関が負担することになっている。

不動産投資ローンと住宅ローンの違い。その答えは不動産を取得する目的だ。住宅ローンは取得した不動産に自らが住むことを前提としている。一方、不動産投資ローンは取得した不動産を賃貸することを目的としている。両者の違いは全てこの点に帰することになる。