安倍内閣が掲げる農業の6次産業化

また安倍内閣は、農産物・食品の輸出を2020年までに1兆円に倍増、30年には5兆円とする目標を掲げている。日本と同じく国土が狭いオランダのように輸出を進める動きもあり、有機野菜などのネット販売を手掛けるオイシックス <3182> は、香港向けに輸出するなど海外展開を図っている。

海外展開とともに政府が掲げる活性化策の柱は農業の6次産業化。生産者の加工、販売への進出を促進する。JAが主体となって進めるものが多く、群馬県のJAあがつまでは組合員が生産する野菜を買い取り、直営の工場で漬物を作って「沢田の味」ブランドとして販売している。一方で第1次産業へ参入する企業も増えており、中でもサイゼリヤ <7581> やワタミ <7522> など外食産業からの参入が多い。


消費者の国産に対する人気、信頼高い

関税撤廃の恩恵を受ける業種として、輸入野菜を使う外食産業が挙げられる。しかし、コストを抑えるために輸入野菜は魅力でも、消費者の外国産に対する安全面での不安を払拭するのは容易ではない。かつて赤字に陥っていた、長崎ちゃんぽんやとんかつ専門店を運営するリンガーハット <8200> が国産野菜100%使用でブランド再生に成功したように、国産に対する人気、信頼感は高い。

政府は政策大綱を策定して農業対策などの補正予算を編成するが、その中には、TPPを成長戦略につなげるため、企業経営の導入や6次産業化を図って競争力を高めるべきとの経済財政諮問会議で出された意見が反映されるとみられる。


注目されるTPP関連銘柄

株式市場でもTPP関連銘柄が注目を集めているが、野菜の関税撤廃ということに限れば、生産の効率化、高品質の作物生産を推進することが一層求められよう。

競争力を高めるために、種苗への需要が高まることが見込まれる。具体的には種苗分野で国内シェアトップのサカタのタネ <1377> やカネコ種苗 <1376>、病害虫・連作障害に強い苗開発が特色の、接ぎ木した野菜苗を生産販売するベルグアース <1383> 、肥料で有機肥料が主力の片倉コープアグリ <4031>、農薬では果樹・野菜向け農薬専業のアグロカネショウ <4955> などが挙げられる。

また企業経営や生産の効率化に欠かせないのが農業機械。業界トップのクボタ <6326> や井関農機 <6310> には追い風となろう。輸出促進からはオイシックス<3182>が注目される。同社は香港に現地子会社を設立し、売り上げ規模の拡大を図っている。

大筋合意に達したTPPだが、米国では与党民主党からも反対の声が上がっており、日本国内でも聖域の一部撤廃には批判が出ている。発効までにはまだ越えねばならないハードルがあり、今後の展開が注目される。(ZUU online 編集部)

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