テナントリテンション
(写真=PIXTA)

全ての顧客の上位20%のリピーターが売上げの80%を占めるというパレートの法則がある。店舗経営においてもリピーターが多い店舗ほど収益性の高い傾向にあり、店舗の営業活動においてリピーターを非常に大切にする。そんな考え方が不動産賃貸業の中にも浸透し始めてきた。それがテナントリテンションである。そこで、以下ではテナントリテンションとは一体何なのかを見ていく。


テナントリテンションとはどのようなもの?

リテンションとは、直訳すると保有、 保存、 保持、記憶といった意味になる。マーケティングの世界では、既存顧客との関係を維持していくための活動のことを指す。言い換えると、「入居者保持」「解約の抑止」ともいえる。そもそも賃貸借契約は、入居者が毎月継続的に賃料を支払ってくれるため、全ての入居者=リピーターと言える。通常の店舗であれば、新規顧客が根付かないまま離反していくケースも多いが、不動産賃貸業の場合は基本的には入居すると全員が毎月お金を支払ってくれるクライアントとなる。そのため、不動産賃貸業において顧客である入居者を大切にするという発想すら生まれづらかったのが実態ではないだろうか。