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(写真=PIXTA)

「地域ブランド調査2015」のランキングが発表され、 最も魅力的な都道府県は 1位から順に北海道、京都府、東京都となった。前回と比べてランクを大幅に上げたのは、富山県と三重県、長崎県だった。それぞれ 新幹線開通、サミット開催、世界遺産登録 など注目を集めたトピックが集めたためだろう。

同調査は認知度や魅力度、情報接触、イメージなど77項目から国内1000市区町村および47都道府県のブランド力を評価したもので、ブランド総合研究所がまとめて発表している。

「富山県」北陸新幹線開業により観光意欲度が上昇

2015年3月の北陸新幹線開業により、沿線地域の情報接触度は軒並み急上昇している。観光意欲度(訪れてみたいか)をみると、富山県は前年28位から16位に、黒部市が前年62位から31位、富山市が134位から76位にそれぞれランクを大幅に上げている。

一方で石川県は、前年と変わらず8位。金沢市は12位から7位に上昇しているが、点数は微減しており、富山県ほどの上昇は見られなかった。これには、石川県は新幹線開業以前からすでに観光意欲度が高い地域であり、今回の情報接触度の上昇による影響が少なかったという見方もできる。

もうひとつ注目すべきは、情報接触度、観光意欲度の上昇に対し、魅力度については各地域ともに横ばいとなっていることだ。情報が増え来訪意向が強くなったとはいえ、地域そのものの魅力化が追いついていないという課題が残っているといえるだろう。

「三重県」伊勢志摩サミットに関連し観光意欲度が上昇

三重県と志摩市の情報接触度が大幅に上昇しランクを上げている。これは2016年5月に三重県志摩市で開催が決まった「第42回先進国首脳会議(伊勢志摩サミット)」の影響を受けたものといえる。三重県の情報接触度は前年33位から23位に、志摩市は132位から49位にランクを上げている。

観光意欲度をみると、三重県は前年26位から20位に上昇。志摩市が44位から18位に順位を大幅に上げている。認知度や魅力度など他の指標についてもおおむね上昇しており、伊勢志摩サミット開催が三重県のイメージアップに大きく寄与しているといえるだろう。

一方で伊勢市については、情報接触度をはじめ他の指標についても微減傾向となった。これは2013年に伊勢神宮で行われた、20年に一度の大祭である式年遷宮の影響が一段落ついたところによると推測できる。2008年に北海道・洞爺湖町でサミットが開催されたときにも同様に順位が上昇する変化が見られた。しかし開催から2年後には開催前の水準に戻っている。

「長崎県」世界文化遺産に登録された軍艦島で魅力度が上昇

今年、明治日本の産業革命遺産の構成資産である端島(軍艦島)が世界文化遺産に登録されたことを受けて、長崎県の魅力度が前年10位から6位にまで上昇している。観光意欲度の順位は前年と同じ6位だが、情報接触度が前年23位から17位に大幅にランクを上げている。

中身をみると、情報接触経路のうち「旅やグルメに関するテレビ番組」が上昇していること、また「魅力的な街並みや歴史建造物」の順位も上がっていることから、軍艦島の情報がメディアを通して多く発信され、そこに魅力を感じた人が増えたということがいえるだろう。

「魅力度ランキング」の上位10都道府県は以下の通り。

1位 北海道
2位 京都府
3位 東京都
4位 沖縄県
5位 神奈川県
6位 長崎県
7位 福岡県
8位 奈良県
9位 大阪府
10位 長野県

(ZUU online 編集部)