●産業競争力強化法について
産業競争力強化法は、一言で言えば競争を緩和させ企業に合従連衡を促す法案です。 モデルとしては、韓国財閥をモデルにしているようです。 おそらく日本国内の経済団体からの要望かと思われますが、日本経済全体から見るとあまり良くない話のようです。 韓国経済は、サムスンやLG、現代自動車といった少数の財閥だけで韓国経済を支えてしまっています。 競争相手がいないため、サムスンの携帯電話以外に購入の選択肢がありません。自動車は、国内企業であれば現代自動車ぐらいしかありませんので他に選択肢がありません。 日本の経済団体は、大企業が名を連ねていますがこの楽な商売を狙っているためにこの法案を要求したのではないかと思われます。
法案の内容と裏側としてはこのような説明にしかなりませんが、 経済波及効果と関連銘柄についてまとめさせていただきたいと思います。
まず、大企業の合併を促していくようになりますので、 上場企業の中で株価としては低く評価されているものの企業力のある会社の株銘柄は合併によって評価が良い方向に改まります。
・どこかの企業と競争力強化の観点から合併話が持ち上がったことのある銘柄。
・本来の資産価値より低く株価が評価されている、つまりPBR(株価純資産倍率)が1倍を切っているような銘柄。
・業界の中で大手が何社も存在し競争が激しい業界の銘柄。まずは、この3つの条件の重なるような銘柄
を探してみると合併銘柄になる可能性の高い銘柄が見つかってくるでしょう。
しかし、合併しなければ株価としての評価が変わることはなかなか無い銘柄なので合併しなければ大きな利益を得づらい投資とも言えます。
●産業競争力強化法の世の中と個別企業に与える波及効果について
業界の中で大企業だけでも何社も存在し競争が今まで激しかったところと言えば、自動車業界や電機業界、精密機械、機械業界といった日本のものづくり産業の中心にあったような業界も対象になってきます。 企業数が多いこれからの業界は、この法案を錦の御旗に合併を進める可能性が高いように思われます。
同じようにものづくり企業の集まりのような鉄鋼業界では、新日鉄と住友金属が合併し新日鉄住金となりました。新日鉄は八幡製鉄所の流れも持つ三菱系企業です。住友金属は、もちろん住友系企業です。財閥同士の合併などは、当たり前の時代であると考えて財閥企業も関連銘柄に含めて考えてみた方が宜しいでしょう。
また、韓国財閥のような楽な商売を目指している日本の財界は優秀であれば日本国民から従業員として採用しなくても良いという考えを持っています。 大企業の合併が進めば、外国人労働者の比率が上がりやすくなる可能性もあります。 具体的に言えば、人材派遣会社やヘッドハンティング会社などもこの産業競争力強化法に関連銘柄として組み込んでも良いのではないでしょうか。