2015年の特許資産ランキングで、ロシュが1位の座を獲得した。昨年は中外製薬 <4519> にトップを明け渡していたが、今年のランキングで取り戻した格好だ。C型ウイルス肝炎治療薬などの特許技術などを中心に、2位以下に大差をつけて、実力を見せつけた。

ランキングを発表したのは、パテント・リザルト。毎年作成している「医薬品業界 特許資産規模ランキング」として、製薬企業が持つ特許の件数と、特許技術への注目度などから割り出したポイントを加算して順位づけを行っている。

今年のランキングの2位以下にも、世界的に大きな存在感を見せる製薬企業がならぶ結果となっており、外資系の中でも、大型特許切れを抱えるブロックバスター米国系企業がトップ10から姿を消し、欧州系企業が多く、上位に食い込み存在感を示した格好だ。

ロシュとベーリンガに追いすがる中外製薬

「医薬品業界・特許資産規模ランキング2015」の第1位がロシュに続く第2位はベーリンガー・インゲルハイム・インターナショナルで、第3位にロート製薬 <4527> が日系製薬企業としては最上位となるトップ3にランクイン。さらに、ノバルティス、塩野義製薬 <4507> 、バイエルが5位までに名を連ねた。

さらに、6位以下には、大鵬薬品工業、久光製薬 <4530>、第一三共 <4568> 、ポーラファルマと続いている。

いずれも大きな存在感を示していることに代わりはないが、特許技術の内容もさまざまだ。1位にランクインしたロシュは、肝炎治療薬のほかにも、哺乳類の細胞における副産物の少ない抗体の生産技術で注目を集めている。続く2位のベーリンガー・インゲルハイムも、糖尿病の治療に用いられる「DPP-4阻害薬」「メトホルミン塩酸塩」を組み合わせた多剤混合薬(FDC)などの調製方法を保有しており、その注目度は高い。

ほかにも、ノバルティス保有の多数の免疫療法特許を生かすことのできる「がん」治療の医薬品の開発に生かせるだけではなく、不整脈の一種である心房細動向けの医薬品の対象は循環器となっており、まだまだ多様な需要がありそうだ。