カルビー
(写真=PIXTA)


国内事業の回復を確認し懸念後退

第1四半期決算で国内事業が減益となり、営業利益が小幅な増益に止まったことで成長に陰りがみえたとして失望を招いたカルビーですが、4日に発表した中間決算はこうした懸念を払拭しました。株価は13時の決算発表後に急速に上げ幅を広げ4日に6%を超える上昇をみせると、翌5日も3%を超える上昇となりました。

カルビーはこれまでコスト削減で変動費を下げる取り組みを行ってきました。

こうしたことは多くの企業がとる行動ですが、ここから先がカルビーと他の企業の違うところで、多くの企業がコスト削減で増えた利益を会社に取り込んで終わりとしますが、カルビーは変動費を下げて増えた利益を値下げ等で消費者に還元することでシェアアップを図り、シェアアップにより工場の稼働率を上げて固定費を下げることで継続的な利益成長を実現してきました。

こうしたなか第1四半期も稼働率を上げたことで、需要と供給のミスマッチが起こり欠品となる商品が出る一方で在庫が増加してしまう商品が出てしまい、需給バランス調整費用が約4億円発生しました。

これに円安による原材料高なども加わって第1四半期の国内事業は減益となってしまいました。しかし、需給バランスの適正化を図ったことで第2四半期(7-9月期の3カ月)の国内事業は前年同期比で2割の大幅増益に転じています。

第2四半期に回復をみせたものの、通期計画の営業利益288億円達成のためには第1四半期が思わぬ苦戦となったことから、下期に前年下期に対して26%近い高い増益が必要となります。決してハードルは低くありませんが、売上高が堅調で上振れる可能性もありそうで不可能な水準ではないとみられます。

金山 敏之
マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト

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