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(写真=PIXTA)

2009年にアメリカで誕生し、グローバル展開を経て、2015年4月、日本に上陸した住宅デザインに特化したコミュニティサイト「Houzz ハウズ」。今回は日本版を運営するハウズ・ジャパン株式会社の代表取締役社長 加藤愛子氏にサービスの特徴と日本での事業展開の方向性などを伺った。(提供: storie2015年10月21日掲載

storie: Houzzのサービス内容について教えてください。

加藤氏: ひと言で言うと、住宅に特化したコミュニティサイトを運営しています。Houzzでは「プロユーザー」と呼ばれる家づくりにたずさわる専門家の方々、具体的には建築家、住宅デザイナー、家具メーカー、建材メーカーなどの60以上の業種の企業様が、一般ユーザーと様々なかたちでつながり会話を交わし、最終的にはその会話が家づくりにつながっていくというプラットフォームです。

また、どんな方でも、家づくりに際しては様々な過程を踏まれると思います。まずはアイデア探しから、周り家族や友人の意見を聞き、専門家にアドバイスをもらい、見積りを取って、最終的には購買にもつながっていくと思います。その一連のステップを一気通貫して、Houzzで実現できるという、家づくりにご活用いただけるツールでもあります。

storie: 本社のアメリカやその他の国でのサービス展開について教えてください。

加藤氏: 現状では毎月3,500万人のユーザーが利用してくださっているサービスです。最近正式オープンした北欧を含め、世界11ヶ国で展開しています。具体的なユーザー属性としては、世界中の全ての国の方々にお使いいただいているサービスです。

アメリカでは2009年にスタートして、その後口コミを通して広まってきたサービスです。創業者夫婦が当時中古物件を購入し、それをリノベーションしようと思ったときに、自分たちが理想とする家を手に入れることが非常に困難でした。自分たちに合った業者に出会うことが難しくて、求めている情報を入手することもできない。

まわりの友人の話を聞くと、実は同じような悩みを抱えている人が多くいた。それならば、Houzzのようなコミュニティサイトを作ることで、情報をより簡単に行き来させ、より多くの人が理想とする住まいを手にいれることができるのではないかという想いからスタートしました。

Houzzはアメリカをはじめ、世界各国で、住宅回りの情報源になっています。人とつながるため、という目的が主にありますが、それ以外の情報やモノを探しにHouzzを訪れる人も少なくはありません。


その道のプロが記事を執筆

storie: コンテンツについてですが、グローバルで使われている写真等の素材以外で日本版の記事はどのように作成しているのでしょうか。

加藤氏: Houzzでご紹介している記事は、日本で作成されているオリジナルなものと海外の人気なもので成り立っています。いずれも日本のユーザー様に合った内容のものをご紹介しています。

storie: 日本のオリジナルの記事は社内で制作や監修をされているのでしょうか。

加藤氏: 担当のチームはいますが、実際に記事を書いてくださっているのは、ご登録いただいているプロの方々です。専門家の方々が記事を執筆してくださることで、より深いコミュニケーションのきっかけになると考えています。


徹底したユーザ目線のサービスに”ひと目惚れ”

storie: ご自身ではHouzzのどのような点に魅力を感じて参画されたのですか。

加藤氏: きっかけは友人を通して偶然、紹介されたのですが、Houzzを知って、個人的にこのサービスに完全に一目惚れをしてしまったのです。ここまでユーザー目線で、ユーザーが直面する多くの課題に対するソリューションを提供できているサービスってなかなかないと感じました。

具体的に申しますと、一般ユーザーでも弊社の創業者のようにとても大変な思いをされている方が多くいらっしゃると思いますが、Houzzでは家づくりの一連のステップをスムーズに誘導してあげることができます。アイデア探しから、人とのつながり、コミュニケーションを取ることから、様々な情報を得て、モノを見つけ、最終的にはアイデアをカタチにするために購買につなげる。

その一方で、プロの方でも一般ユーザーと同様に家づくりに際し、情報を入手し、人とつながる必要があります。もちろんクライアントとつながらなくてはなりませんが、それ以外にパートナー企業とつながる必要もあります。

家づくりで、新築を建てる、リノベーションする、ちょっとインテリアを変える、など、幅広いニーズとそれに伴う悩みや課題を持つ方が多くいらっしゃると思いますが、どんなユーザーであっても、必ず、何らかのソリューションを見つけていただくことができると思っています。

プロ、消費者問わず、どんなユーザーにとっても必要なつながり、情報、もの、つまりはソリューションを非常に簡単に提供できる。さらに国内だけではなく、グローバルに。Houzzのそういうところが非常に魅力的でした。

日本には素晴らしい技術やデザインをお持ちの専門家が多くいらっしゃいます。これまでは海外からそういう方々につながるきっかけがあまりない一方で、つながりたいというニーズは多くありました。Houzzでも海外でアンケート調査を行った結果、日本に対する興味、関心が非常に多くありました。

個人的にもそうですが、そういった素晴らしい技術や人、サービスをもっと海外に発信することで、日本の業界自体の拡大にもつながっていくのではないかと思っています。

ハウズ・ジャパン株式会社 代表取締役社長 加藤 愛子
幼少期を米国ワシントン D.C.、サンフランシスコ、ミシガンで過ごす。シカゴ大学経済学部を卒業後、米国投資銀行ゴールドマンサックスのロンドン、および東京オフィスに勤務。INSEAD(フランス・シンガポール)でM.B.A.を取得後、ビューティー・トレンド・ジャパン株式会社の代表取締役に就任し、化粧品のサブスクリプションサービス、GLOSSYBOX 日本法人を創業。初年度の黒字化に成功する。その後、ニューヨークを拠点にベンチャー企業の海外展開に関するコンサルティングを行う。2014 年11 月より現職。

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