群栄化 収益性の改善進む、3Dプリンター関連

化学品メーカーの群栄化学工業 <4229> の中間期は、連結営業利益が12.4億円(前年同期比86.6%増)と大幅に拡大し、計画に対しても12%超過した。据え置かれたままの通期予想(18億円、前期比34.4%増)に対する進ちょく率は69%と高く、今後の増額修正期待が高まりつつある。

株価は中間期決算以降、7%程度水準を切り上げているもののPBRは依然0.6倍未満と割安感が残る。本業面では、主力のフェノール樹脂が電子材料向けに好調に推移する中で、生産効率化も進んで収益性が改善している。中間期の粗利益率(21.8%)は前年同期と比べて5.3ポイントも上昇した。

直近、一目均衡表の「雲」の上限を突破。25日移動平均線と75日線のゴールデンクロスも接近している。また、3Dプリンター(3次元印刷機)関連銘柄である点も見逃せない。

大末建 通期予想増額必至、中・長期線GCへ

大末建設 <1814> の株価が好業績を本格的に織り込むのはこれからだ。中間期の連結営業利益は16億2600万円(前年同期比96.6%増)。期初時点の計画値が10億8000万円を大幅に上回った。四半期(3カ月ターム)で見ても、第1四半期(4〜6月)の4億7800万円に比べ、第2四半期(7〜9月)は11億4800万円と2.4倍に膨らんだ。

工事採算の改善が背景にある。これほどの劇的な増益にもかかわらず、同社では通期予想の21億円(前期比1.2%増)を変更していない。しかし、中間期実績での通期予想に対する進ちょく率は77.4%に達しており、今後、大幅増額修正されるのは必至の情勢だ。

2013年10月末に1570円高値を付けた後株価は今年9月時点まで長期下降トレンドを形成してきたが、10月以降、底打ちムードが台頭。今週にも中期線の13週移動平均線と長期線である26週線がゴールデンクロスする。復権相場のシグナルだ。

森永菓 信用需給に厚み、全値戻しに期待

森永製菓 <2201> の今3月期上期の連結営業利益は66億円(前年同期比2.9倍)で期初予想を実に37億円超過。主力の「食料品製造」の売上が予想を上回る中、想定していた原材料価格上昇の悪影響がほとんどなかったことや、商品規格見直し、生産効率の改善などにより営業利益率は7.2%と、同4.7ポイント改善した。

会社側は上期実績を踏まえ通期の予想営業利益を62億円から90億円(前期比51.5%増)に増額したが、全体の1割に満たない海外売上の減額、国内マーケティングコストの投入やその他戦略費などを理由に下期の予想営業利益を引き下げており、保守的な印象が否めない。

需給に厚みをつけながら、6日申し込み現在の信用倍率は2.18倍と、前週の2.95倍から大きく低下。12日に株価は11円高の668円まで上伸し、8月高値742円から9月安値504円までの下落幅の三分の二戻しを達成している。全値戻しに期待が高まるところだ。(11月13日株式新聞掲載記事)

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