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(写真=リフォーム産業新聞/ シンプルさが特徴の無印良品の部屋 )

約1700棟・75万戸の団地を管理している独立行政法人都市再生機構(神奈川県横浜市)は、無印良品やイケアといった企業と連携したリフォームを加速している。既存の「UR賃貸住宅」を人気ブランドとともに改装することで、入居者獲得期間の短縮化、若年層の入居を促している。


「無印良品」、「イケア」部屋が5割増

都市再生機構が今年度、無印良品、イケアと連携して改装する部屋数は前年比5割増しになりそうだ。約300部屋が目標。無印良品とは2012年、イケアとは13年から協業し始め、特に今期は大幅に改装部屋数を伸ばす。両社とともに改装した部屋数の累計は約600を目標としている。

無印良品とのリフォームの特徴は共同開発した組み合わせ式キッチン。ライフスタイルに合わせて、テーブルや椅子をコーディネートできる。もう一つの特徴は既存の木製建具を取り払わずにあえて生かすことで、新材と古材が融合した味わいのある雰囲気を生み出している。間取りは広めの1LDKに変更するケースが多い。

同機構の住宅経営部ストック活性化チームリーダーの倉上卓也氏は「無印良品の部屋の見学者数は通常のリフォームに比べて2割ほど多く、通常の改装に比べて早い時期に入居が決まる」と話す。また、連携して改装した部屋に関心を持つ層は20~30代が中心。同機構が管理する団地に住む入居者の平均年齢は50代。課題である若年層の取り込みにも成果を上げている。

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(写真=リフォーム産業新聞/アクセントカラーが印象的なイケアの部屋)

イケアとのリフォームの特徴は、イケアのオリジナルキッチンや壁1面だけをカラフルにするアクセントクロスなどを導入している点。無印良品と同様に若年層に人気。

その他にも同機構では学生のリフォームプランを採用して部屋を作ったり、住み手自身がDIYできる部屋なども作っており、様々な手法で古い団地に新たな価値を付加している。

同機構は昭和30年代に建てられた老朽団地については昭和60年代から建て替えてきた。洗濯機置き場がなかったり、木製の建具だったりと、リフォームで現在のライフスタイルに合う住宅を作ることが難しかったためだ。

昭和40年代以降の団地については、平成11年頃から「リニューアル」と呼ぶ一般的な改装を開始し、近年は企業連携などでバリエーションを増やしてきている。(提供: リフォーム産業新聞 10月20日掲載)

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