投資先を選ぶ2つの方法
「銘柄選び」が大切で難しいのが投資であるが、大江氏はかつて証券会社に勤務していた時に「確定拠出年金」の投資教育業務に携わっていたがその時に、銘柄選びに関わる面白いエピソードがあったという。
大江氏は前職、野村證券に勤務しており、25年にわたり個人の資産運用業務に従事し、2001年からは「確定拠出年金」の投資教育業務に携わっていた。現在は定年退職して独立し、講演や執筆活動などを通じて投資の魅力を伝えている。
銘柄の選び方の中には主に「トップダウン」「ボトムアップ」という2つの方法がある。トップダウンとは経済成長率や為替・金利など、世の中の大きな流れを考慮し、そこから価格上昇をするであろう業種を絞り、さらにその業種の中から銘柄を探していくという方法である。一方ボトムアップとは個別銘柄(企業)をじっくりと分析し、調査して銘柄選定をしていく手法である。
トップダウンでは他社との差別化が難しいため、証券会社や投資信託のファンドマネジャーらは、ボトムアップで銘柄選定を行うことを目指す。そのために、直接企業に出向いてIR担当者や経営者の話を聞く。
銘柄選びのポイントは「ありのままの姿」
ところがファンドマネジャーやアナリストが企業を訪問して経営者の話を聞くよりも、大江氏が「確定拠出年金」の投資教育者として企業訪問をしたほうが、企業の実情を知ることができたというのである。
ファンドマネジャーやアナリストが企業訪問をする際、企業側はある程度「警戒」しているが、「確定拠出年金」の投資教育者には注意をあまり払わない。時には片付けられていないオフィスを目の当たりにすることもあった。つまり、着飾らない「ありのままの姿」を見ることができたのである。「ありのままの姿」でもオフィスがきれいに片付いており、指導の行き届いている企業に関しては、株価を追っていくとおのずと上昇していたという。企業側の人間にとっては、自社の「ありのままの姿」に気をつけたほうがいい、という反面教師にもなるエピソードである。
ただし個人投資家が個別企業のオフィスを訪問し、「ありのままの姿」を見ることは難しい。そこで、初心者向けに「積立投資」という手法もある。次回、大江氏がお勧めする積立投資法について紹介する。 (ZUU online 編集部)