◆インドの保険会社
(1)会社数
インドにおいては、2014年9月末で、53の保険会社が登録されている。このうち、24社が生命保険会社であり、28社が損害保険会社である。これらに加えて、唯一の国営再保険会社(*4)として、GIC(General Insurance Corporation of India)が存在している。
さらに、53の会社のうち、8社が公共会社であり、再保険会社のGICに加えて、生命保険はLIC(Life Insurance Corporation of India)の1社、損害保険では、ECGC(*5)とAIC(*6)という2つの特殊保険会社に加えて、他に4社の国営保険会社が存在している。これら以外の残りの45社が民間保険会社となっている。
なお、医療保険専門会社が5社存在し、医療保険、傷害保険及び旅行保険を提供している
(2)生命保険会社の収入保険料
2013年度の生命保険会社の収入保険料は、314,283.20crore(千万)ルピー(1ルピー=1.85円とすると、約5.8兆円)となっている。
その過去からの推移を、国営のLICとLIC以外の民間との内訳別に見てみると、下の左図の通りとなっている。2000年8月に市場が民間保険会社に開放されて以降、2010年まで保険料は急速に増加してきていたが、2010年9月のユニット・リンク保険商品(ULIPs)に対する規制の見直し(*7)等を受けて、ここ数年は保険料の伸びが鈍化している。
(3)生命保険会社の市場シェア
上の右図が、LICとLIC以外の収入保険料シェアの推移を示している。LICのシェアは、2010年までは徐々に低下してきていたが、民間保険会社においてウェイトが高いユニット・リンク保険が監督規制の影響等で販売が低迷したことから、ここ数年は若干上昇していた。
ただし、2014年の新契約保険料では、経済環境の改善を受けた好調な株式市場や各社の新商品の投入等により、ユニット・リンク保険の販売が回復したこともあり、民間保険会社のシェアが上昇し、LICのシェアは低下している。この状況は、2015年度に入っても継続している(*8)。
2013年の収入保険料の各社別・払方別・商品別の内訳は、次ページの表の通りである。会社別では、国営のLICが3/4のシェアを有し、残りの1/4の市場を23の民間保険会社が分け合っている。
LICでは、一時払保険料の構成比が高くなっており、会社全体の収入保険料の1/4程度を占めている。LICは、ユニット・リンク保険等のリンク保険(*9)を殆ど販売しておらず、収入保険料の構成比は1%程度でしかない。一方で、民間保険会社は、リンク保険の構成比が高く、民間全体では5割近い構成比となっている。
なお、LIC以外の民間保険会社全体における各社のシェアは、下図の通りである。これらは、外国資本の会社とのジョイント・ベンチャーによる会社である。