電力小売り自由化で注目の関連銘柄
ここからは、株式投資の視点から関連銘柄として注目しておきたい銘柄をとりあげよう。
既存の地域電力会社も自由化による顧客流出を防衛するために差別化策を打ち出す必要に迫られており、新規事業者の草刈り場になるとみられる関東圏で全国の半分近い約2900世帯の顧客を抱える東京電力は必死だ。Tポイントを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ <4756> 、ソフトバンク、ニチガス <8174> 、有線放送サービスのUSEN <4842> などとの提携を相次いで打ち出した。
大手コンビニチェーンは「ポイントカードつながり」で小売り契約の受付窓口の一角をなす可能性が高い。例えば、ファミリーマート <8028> であれば東京電力が組むTポイントの提携先だ。大手製鉄・製紙会社も自家発電設備を持ち、既にPPSとしての実績がある。逆に東京電力はセット割や他地域への進出で巻き返しを図るにしても差し引きマイナスは避けられなさそうだ。ただ、スマートメーターの普及が進めば検針員への手数料が大きく減るという隠れたコストメリットもある。
新たな市場に向けてガス会社の鼻息も荒い。大阪ガス <9984> は電力とガスのセット割を早々に発表、東京ガス <9984> も先日、関東圏の地域ガス会社5社と提携して電力連合を結成するなど販路確保に余念がない。いずれも既にPPSとして自前の発電設備を持っているのが強みだ。だが実はこちらも攻勢一辺倒といかない事情を抱えている。ガスを全く使わないオール電化世帯が増えてガス需要が伸びないうえ、再来年4月にはガスの小売り自由化も控えており、一刻も早く収益基盤を強化する必要があるからだ。
このほか、楽天 <4755> が発電事業も手がける丸紅 <8002> と「楽天スーパーポイント」を軸に提携、昭和シェル石油グループ <5002> でガソリンスタンドを運営するエネオス・グループの「ENEOSでんき」はガソリンのセット割引が売り物だ。ミツウロコ <8131> やTOKAI <3167> などLPガス主体のグループやPPSの東燃ゼネラル石油 <5012> 、イーレックス <9517> も参入する。
他に、スマートメーターの大崎電気工業 <6644> ははずせないだろう。通信機能付き電力量計の同メーターは、遠隔での検針や供給開始・停止などが可能なことから、電力小売市場のキーデバイスになる。政府計画では20年代早期に全面導入すると明記され、自由化を契機にメーター販売に弾みがつきそうだ。 (ZUU online 編集部)
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