ちりも積もれば山となる…カフェ代で数十万

Aさんは忙しいこともあり、コンビニで買い物をすることが習慣になっていた。カフェ代も1回にすれば数百円程度だが、1日に3回も4回も買っていれば1カ月でそれなりの金額になってしまう。その金額は1カ月で数十万円にも及ぶときもあった。今でも驚愕したのを覚えている。この事実には本人もびっくりしていた。

一時期、食べた物を記録する「レコードダイエット」が流行ったが、お金も同様である。支出を記録し、「見える化」することでお金の使い道を意識するようになり、無駄な支出を減らすことができる。この「見える化できるかできないか」がお金を貯められるか貯められないかの境になるのだ。

3分の1は本来の自分の価値観と合わない使い方

いくら収入が高いといっても、今は、右肩で給料が上がらない時代。その中で幸せな人生を送るには、限りある収入の中でいかに自分の価値観に沿った使い方ができているかどうかだ。

Aさんの支出の分析をしたところ、定期的に高級なブランドバッグや時計、靴などを購入しており、その支出は給与の3分の1を占めるものだった。ただし、Aさんと話しをしていく中で、もともとAさんは、ブランド物が好きなわけではなく、仕事へのストレスや見栄からブランド物を買っていたことがわかった。

本来Aさんは、自然の中でゆっくり過ごしたり、友達とホームパーティーをしたりして過ごすことに幸せを感じるタイプとのこと。しかし、そういったことにはほとんど時間もお金も使えず、本来の自分の価値観とは違ったところに収入の3分の1も費やしていた。このことがわかり、Aさんは本格的に家計の管理をすることを決意するにいたった。

お金の使い方を考えることはどんな人生を送りたいのかを考えることでもある。お金の使い方は人生そのものを映し出している。だからこそ、お金の使い道を分析し、どう使うかを考えることは大切なのだ。